SNSでトランスジェンダーだと暴露され、プライバシー権を侵害されたなどとして芥川賞作家の李琴峰さんが、投稿した甲府市議に対して損害賠償などを求めて裁判を起こしました。

 李さん側によりますと、李さんは台湾出身で、2013年の来日前に男性から女性に性別を変更していて、それを公表せずに活動していました。

 去年5月、村松裕美甲府市議が李さんを名指しして「身体が男性で手術もしていません」などとSNSに投稿しました。

 投稿はその後、削除されましたが、変更前の写真や氏名が新たに投稿されました。

 李さんはトランスジェンダーであることを公表せざるを得なくなり、プライバシー権を侵害し、名誉を著しく毀損するとして村松市議に投稿の削除と550万円の損害賠償を求めて今月5日、東京地裁に裁判を起こしました。

 会見で李さんは村松市議とは面識がないとしたうえで、「私が何もしていなくても、嵐が勝手にやってきて、私の生活を壊した」と訴えました。

 村松市議は「最初の投稿については警察からの指摘を受けてすでに削除しており、その後の投稿についても適切に対応した。訴状が届いてから名誉毀損にあたるのかどうかを弁護士と相談したい」とコメントしています。