広島県庄原市の住宅で矢吹定代さん(84)が死亡していた事件。警察は、殺人事件とみて、50人態勢の捜査本部を設置しました。
約20年前に夫を亡くし、独り暮らしをしていた矢吹さん。事件は、いとこが、矢吹さんと連絡が付かなくなったことをきっかけに発覚しました。
遺体が見つかった24日の朝、電話をかけたそうです。
矢吹さんのいとこ 「(Q.24日の朝はなぜ電話した)『どうしよる?』という感じで。3回、4回、5回かけた。(Q.続けて電話して出ることはなかった)なかった」
自宅を訪ねても応答はなく、高齢者の見回りをする巡回員に相談したといいます。
24日午後5時半、相談を受けた巡回員は、すぐに、矢吹さんの近隣住民と一緒に自宅に向かったそうです。
遺体を発見・通報した人 「ポストの下には回覧とか郵便物があるし、まだ帰っていないのかなと思いながら。もう5時過ぎているし、高齢の方がそんなに遅く出かけて、帰ってくることはないじゃないですか」
自宅の正面玄関は、いつも通り鍵は掛かっていました。ただ、矢吹さんは、長期にわたり家を空けるときは、、必ず、そのことを伝えていたといいます。
万が一のことがあってはいけないと、鍵のかかっていなかった勝手口から自宅の中に入ったそうです。勝手口が、いつも空いていたかはわかっていません。
遺体を発見・通報した人 「トイレとか風呂で倒れていたらいけないと思って、声をかけながら、台所を過ぎて、そこの戸は開いていたので、行ったら、その角に倒れていた。(Q.時間が経っている様子だった)倒れてすぐってことはないのは、わかったんですけど。頭の方の血は固まってたから。呼吸と意識確認としたんですけど、もちろん意識はないし、とても見るに、見られない状況でした」
矢吹さんがいつ襲われたのかはわかっていませんが、こんな証言もあります。
被害者が住んでいた町の自治会長 「(Q.自宅電気がついていたのは)22日の午後10時ごろ。(遺体発見前日)23日はついていないですね、真っ暗。なんで電気ついていないのかと感じた」
死因は、その後、頭と顔を複数回殴られたことによる失血死だと判明しました。頭蓋骨骨折などがあり、何らかの硬いもので殴打されたものとみられています。ただ、巡回員は、少なくとも遺体の近くで凶器のようなものを見かけなかったそうです。部屋が荒らされている様子もありませんでした。
遺体を発見・通報した人 「きれい好きのお母さんだったから、きちんと整理されていて、散らかっている雰囲気はなかった」
矢吹さんのいとこ 「(Q.最後に交わした言葉は)普段通りの会話です。『またどこか行こうね』『用事があったら言ってね』いつも言うから。まさかこんな。それが最後」
昔からほとんどが顔見知りの地域。過疎が進むなかでも、助け合い暮らしてきました。
被害者が住んでいた町の自治会長 「不安ですよ。それは不安。ピリピリしていますからね、皆さん。コミュニケーションは全くなしです、いまは」
事件を受け、庄原市内の小中学校20校すべてが、臨時休校になっています。