7月3日に公示される参議院選挙の宮城選挙区には、6人が立候補を表明しています。1つの議席をめぐり、与党と野党が激しい戦いを繰り広げてきた宮城選挙区は、今回も激戦が予想されています。
立憲民主党石垣のりこ氏「まずは減税で野党がまとまっていけるのであれば、そこでどういう方法でやっていくかというのは一生懸命議論していかなくてはいけない」
自民党石川光次郎氏「我々が負けることになれば政権交代という可能性も出てくるわけであって、そういったことは絶対あってはならないことだ」
れいわ新選組石井義人氏「まずは消費税の廃止。これがれいわ新撰組の経済の政策の根本的な柱でございます」
参政党ローレンス綾子氏「国民が困っている時に何をするかというと、それは減税に決まっているんですよ。これをずっと緊縮財政を変えない限り日本に将来はありません」
チームみらい角野為耶氏「私は政治家としてテクノロジーを社会に浸透させるための仕組みをつくり、日本を未来に希望の持てる国にしていきたいと」
NHK党前田太一氏「いろんな媒体を読み比べて判断してくださいというのを、SNSにしっかり投稿していこうかなと思っております」
多くの候補が出馬を表明している宮城選挙区がどのような戦いになるのか、これまでの経緯と共に見ていきます。
14日、立憲民主党の現職石垣のりこ氏は野党共闘の実現を目指す市民団体の集会に出席しました。
立憲民主党石垣のりこ氏「消費税(減税)って共産党さんがずーっと言い続けて、確かなエビデンスもいろんな数字を示していただいておりますので」
共産党の元衆議院議員、髙橋千鶴子さんと並んで座り共闘態勢を印象づけます。石垣氏は社民党からも支援を取り付けました。
立憲民主党石垣のりこ氏「いろんな党の考え方、いろんな人の考え方があります。きちっと議論をしていける、開かれたそして熟議の国会へと近づけていくべく皆さんとそして立憲主義を重んじる野党の皆さんと力を合わせていきたいと思っております。きょうはどうもありがとうございます」
参議院宮城選挙区は、2016年に定数が2から1に減りました。2016年は後に自民党に移る桜井充氏が野党の民進党から出馬して、自民党候補を振り切り当選しました。
桜井充氏(2016/7/10)「今回一緒にやらせていただいた共産党さん、社民党さん生活の党の皆さん、参議院の方で戦ってまいりたいと思います」
2019年は、立憲民主党の石垣氏が大激戦の末自民党候補を破り初当選。野党候補が連勝した背景には、野党共闘の成功がありました。主要な野党が協力し候補者を一本化することで、自民党候補との事実上の一騎打ちに持ち込んだのです。
ところが、前回の2022年は構図が一変しました。立憲民主党と共産党などとの間では候補者調整が実現したものの、日本維新の会、参政党などが独自候補を擁立したため与野党5人の戦いになりました。野党の票が分散したことで、自民党に移った桜井氏が他の候補に差をつけ議席を獲得しました。
野党共闘が鍵を握る宮城選挙区、今回は。
れいわ新選組山本太郎代表「野党共闘なんてもう存在しませんからはっきり言えば」
6日、仙台市で集会を開いたれいわ新選組の山本太郎代表は6年前の選挙では石垣氏を応援。当時、石垣氏が訴えた消費税ゼロの政策に共感しての行動でした。しかし今回、山本代表は野党共闘には加わらないと宣言しています。
れいわ新撰組山本太郎代表「何よりも前の選挙の時に消費税はゼロにすべきだって言っていた人が、その後国会の中で消費税はゼロにするべきだって声はあまり聞かないってことですね。だったら私たちが言うしかないねと」
石垣氏が公約を守っていないと批判し、新人の石井義人氏を擁立します。
他の野党も参政党が前回に続きローレンス綾子氏、政治団体チームみらいが角野為耶氏、NHK党が前田太一氏の擁立を決めています。
野党から多くの候補が出馬することについて石垣氏は。
立憲民主党石垣のり子氏「各政党の皆さんが自分の勢力拡大のことも含めて候補者を立ててこられるのは当然の権利ですので、これは致し方がないというか。これまでの6年間の私の仕事を見ていただいたうえでどういう判断していただけるか」
一方、公明党からも推薦を受ける自民党の石川光次郎さんは与党の力を結集して戦うと強調します。
自民党石川光次郎氏「やはり何としても四半世紀続いた自民党公明党の連立政権のために今回の選挙、皆様方のお力を貸していただいて勝たせていただきたい」
19年にわたり宮城県議会議員を務め議長も経験し政治経験が豊富な石川氏ですが、ここに至るまでは紆余曲折がありました。3年前。
石川光次郎氏(2022/4/12)「ひとえに私自身の力不足によりまして、支持拡大がある程度までしかできなかったということでございまして」
石川氏は前回の参院選でも立候補を目指しましたが、自民党本部の意向で当時無所属だった桜井氏が自民党の公認候補に。石川氏が公認争いに敗れたことに、宮城県の自民党関係者の間では不満がくすぶりました。
先週開かれた石川氏の集会に桜井氏が駆けつけ、党内の融和をアピールしました。
自民党桜井充参院議員「私はこの3年間、光次郎さんと一緒に本当に選挙活動をやらせていただきましたが素晴らしい方です。素晴らしい政治家になると思っています」
石川氏さんを支えるのは宮城県の市町村長も。
「我々の石川光次郎絶対に勝つぞ!勝つぞ!勝つぞ!」
有志で立ち上げたグループですが、仙台市を含め35市町村全ての首長が加わりました。強力な後押しを受ける石川氏ですが、自分は挑戦者の立場だと話します。
自民党石川光次郎氏「まだまだ私の力不足。全県的な知名度もそうでありますし、また支援の広がりというものもまだまだ足りない。大変厳しい苦しい、そして暑い戦いでありますけども勝ち抜いていく所存でございます」
参院選の前哨戦とされた東京都議会議員選挙では自民党が惨敗。自民党への逆風が続く一方で、野党も一枚岩になれていません。混沌とした政局の中で宮城の1議席は誰が勝ち取るのか。参院選は7月3日に公示、20日に投開票されます。