環境省は福島第一原発事故の除染作業で発生した「除染土」を総理官邸で再利用するため、19日未明、保管している中間貯蔵施設から運び出すことを明らかにしました。

 除染土は福島県内の中間貯蔵施設に保管されていて、政府は2045年3月までに県外で最終処分することを決め、再利用を進める方針を明らかにしています。

 環境省は今月19日未明、福島県大熊町の中間貯蔵施設から約2立方メートルの除染土を運び出すことを明らかにしました。

 午前中にも総理官邸の前庭に運び込む見通しです。

 人が少ない週末を選んで工事に取り掛かり、前庭の一角に除染土を縦横約2メートル、高さ約60センチに積み、その上に通常の土をかぶせ、表面には芝生を張ることを想定しています。

 浅尾環境大臣は7月1日の会見で「日本の象徴的な場所の一つの総理官邸で安全性をしっかり示し、国民に理解してもらえれば再利用の加速につながる」などと話していました。