新米の出荷が本格的に始まる前に、宮城県色麻町で試食会が開催されました。

 試食会には、地元の子どもたちや農協の関係者など約50人が参加しました。

 ひとめぼれとササニシキの新米が振る舞われ、参加者が炊き立ての味や食感を楽しんでいました。

 「すごいふわふわモチモチしてておいしかったです」「おいしくて力がもらえるような感じがします」

 大友葵記者「ひとめぼれの新米をいただきます、。モチモチとした中にみずみずしい甘さがあってすごくおいしいです」

 猛暑や雨不足の影響が心配されましたが、品質は例年以上ということです。

 JA加美よつば小松孝一組合長「例年になく非常に良いと思います。不安でしたが、こういう形で非常に報われた感じです」

 宮城県のJAでは来週から、新米の販売が本格化します。

 新米をめぐり、農協と業者との間で米の争奪戦が繰り広げられて価格が高騰しています。

 道の駅に早くも並ぶ新米の気になる価格は、5キロで4700円前後と高騰した前年の新米に比べても高くなっています。

 道の駅おおさき小松誠輝駅長「価格は前年の1.5倍位になっています」

 買い物客「率直に言えば高いかなとは思うけど、でもしょうがないかな」

 価格高騰の背景には、物価高による生産コスト上昇などの他、農協や民間業者による新米の争奪戦があります。

 JA全農宮城は、米を集荷する際に農家に前払いをする概算金を主要銘柄でそれぞれ3000円追加で引き上げました。

 1俵60キロ当たり、ひとめぼれで3万1000円、ササニシキで3万2300円などとなっています。3万円を超えたのは初めてで、前年に比べ1.7倍になりました。

 JA全農みやぎは、民間の集荷業者との競争が激しい中、数量を確保し安定供給をするためとしています。

 一方、集荷業者の中には60キロ当たり3万4000円前後と農協より約3000円高い金額を農家に提示する業者もいて、価格競争は激しくなる一方です。

 大崎市古川の米農家佐々木崇行は、これまで収穫した米を全て農協に卸していましたが、一部を知り合いのいる外食チェーンに卸すことにしました。

 農協よりも高い価格で買い取ってくれること以外にも、将来に向けたリスクヘッジのメリットもあると言います。

 佐々木崇行さん「今後も米価の乱高下があると思うので、そういう時に備えて色々な販売先を持っておくことで荒波を乗り越えていけるのかなとも思う」

 佐々木さんは、米の価格を需要と供給に任せていれば高騰したり下落したりという事態は避けられず、調整役が必要と考えています。

 佐々木崇行さん「消費者の求める値段、生産者の求める値段に差がある場合は、国など政治の部分が動いてくれないとと思う」