宮城県が設置に向け検討してきたイスラム教徒のための土葬墓地について、村井知事は県議会で「実現は難しい」として白紙撤回する方針を示しました。
村井知事「最終的な許可権限を持つ市長村長の意見を踏まえると、実現は極めて厳しい状況にあるため熟慮したうえで土葬墓地の検討自体を撤回することといたします」
村井知事は土葬ができる墓地を宮城県に設置できるか検討を続けてきましたが、設置の権限を持つ全ての市町村長から難色を示されたということです。
村井知事「いくら検討しても前に進もうとしても最終的に門が開かないのに、県民が不安に思っていることをずっと継続していくことは良くないと考えたということです」
土葬墓地を検討した背景には、宮城県が人手不足を解消するため外国人労働者を積極的に受け入れていることがあります。
土葬を義務付けられているイスラム教徒から要望を受けていましたが、ネット上などでは「環境が汚染される」などと批判の声が上がっていました。
一方、要望を行ってきた男性はイスラム教では土葬しか許されないことを理解してほしいと訴えます。
ソヨド・アブドゥル・ファッタさん「土に戻りたいというか戻らなきゃいけない、それが当たり前。もう戻らない人はイスラムじゃない。土に戻らない人はムスリムではないことになるわけ。これからも頑張っていけば、今できなくてもいずれできる可能性があると思いますよ」