7月にロシアのカムチャツカ半島沖で発生した地震による津波では、宮城県の気仙沼大島のカキ養殖に大きな被害が出ました。津波から9月30日で2カ月が経過して復旧作業が終わり、出荷に向けて作業が進んでいます。
7月の津波では、気仙沼大島の亀山地区で132台の養殖いかだのうち120台が損傷したりロープが切れたりするなどの被害が確認されました。
養殖業を営む小松武さんは、8月から復旧作業に当たってきました。復旧作業は終わり、現在は出荷に向けてカキを70℃ほどのお湯につける温湯処理をしています。殻に付着している生物を駆除し、カキに栄養を行き渡らせ身を大きくする作業です。
小松武さん「やっとカキの身入りを良くするという前向きなカキを触りながらの作業ですので、先が見えてきているところです」
津波の影響でカキの脱落は目立つものの、前年に多かった死滅は比較的少なく残ったカキは殻が大きく育っているということです。 小松武さん「殻の成長はすごく良いですし、前年と違って死滅の割合も海のカキは少ないんです。なので残ったカキはすごく良いものをお届けできると思います」
気仙沼市が8月7日から始めたクラウドファンディングには、全国から約5500万円の支援が集まりました。
集まった寄付はカキ養殖業者に配分され、復旧のための費用に充てられるということです。
気仙沼市役所水産課齋藤英敏課長「迅速に資金をお渡しして、より安心して復旧に取り組んでいただきたい。全国の皆様のお気持ちなので、本当にありがたく思っています」
なお、津波による宮城県の水産業への被害額は、2億6000万円に上ったことが分かりました。