宮城県産のカキは2025年も生育が遅れ、出荷時期が7年連続で後ろ倒しになる見込みです。要因は海水温の上昇だけではないようです。
石巻市渡波でカキを養殖している末永隆二さんは年間7トンほどのむき身のカキを出荷していますが、例年と比べ20日ほど生育が遅れています。
末永隆二さん「もう少しですね。時間置いてしっかり身を詰めていった方が甘みが増してくるんじゃないかなと思ってるんですけど」
末永さんによると、例年よりも海水温が高い状態が続いていることに加えて台風や雨が少なく、海に栄養分が少なかったことが生育に影響したとみています。
末永隆二さん「台風の被害も無かったので、海がかき混ぜられなかったっていう状況もあるとは思うんですけども。夏場、雨が少なかったので、どうしても北上川から降りてくる川の水ですよね。栄養豊富な水が降りてきづらかった」
宮城県産の生食用カキは県の指針で9月29日が出荷解禁日となっていますが、県漁協ではカキの生育に遅れが生じているため10月以降の出荷となる見込みです。
出荷が遅れるのは2019年以降7年連続で2023年は10月30日、2024年は10月28日と約1カ月遅れています。
末永さんは水揚げの時期が遅れれば、シーズン中に出荷できないカキが出てしまうため海水温が下がり生育が進むことを期待しています。
末永隆二さん「もう少し身を入れて、少しでも甘みを増した状態で出荷したいというのが正直な気持ちですね。冬の寒い時期には本当に甘くておいしいカキが出荷できると期待してます」
カキの出荷日を決める品質検査は、10月1日に石巻市で行われます。