就任早々、外交手腕を試されることになる高市新総理。25日、初の外遊先となるマレーシアに到着しました。重要な外交日程が続きますが、注目されるのは、来週予定されているトランプ大統領との直接会談です。関係構築の秘策はあるのでしょうか。(10月25日OA「サタデーステーション」)
■トランプ大統領「会うのが楽しみ」
日本時間25日午後8時すぎ、高市総理がマレーシアのクアラルンプールに到着しました。時折笑顔を見せながら、タラップを降りる高市総理。右手を胸に当て、出迎えた関係者と挨拶を交わします。26日に開催されるASEAN(東南アジア諸国連合)との首脳会議が、高市総理にとっては本格的な外交デビューになります。
高市早苗総理大臣(25日午後1時ごろ 羽田空港) 「世界の真ん中で咲き誇る日本外交、しっかりと進めてまいります」
出発前、このように意気込んだ高市総理。その頃、アメリカ・トランプ大統領はアジア歴訪に向かう機内で…
トランプ大統領(マレーシアに向かう大統領専用機内) 「(Q.高市総理との会談は何を期待しますか)素晴らしい評判を耳にしている。素晴らしい関係を築けるはず。彼女は安倍元総理の親しい友人だった。知っての通り安倍氏は私の友人であり、素晴らしい人物だった。だから彼女と会うのが楽しみだ」
トランプ大統領は、週明け27日に日本へ移動。28日に都内で高市総理との初の日米首脳会談に臨みます。
■“アメリカ時代”を知る元同僚は…
外交経験の乏しさも指摘される高市総理ですが、サタデーステーションが取材したのは、高市総理の“アメリカ時代”を知る人物。
高市総理の元同僚 バート・ラムロウさん(アメリカ・バージニア州) 「連邦議会議事堂で撮影した写真です。サナエは1番上の段にいます」
40年ほど前、アメリカ連邦議会のパトリシア・シュローダー下院議員の事務所で働いていた高市総理。元同僚のラムロウさんは、当時の高市総理について―
高市総理の元同僚 バート・ラムロウさん(アメリカ・バージニア州) 「サナエは法律の調査を担当し、住民との意見交換会にも参加していました」
アメリカの重鎮たちとも、言葉を交わしていた高市総理。
高市総理の元同僚 バート・ラムロウさん(アメリカ・バージニア州) 「サナエはどんな相手でも臆せず、積極的に話しかける性格です。トランプ大統領との交流が見られるのが楽しみです」
■トランプ氏大絶賛 メローニ氏が参考に?
トランプ大統領との初会談でカギとなる、信頼関係の構築。世界のリーダーは、どう攻略しているのでしょうか。
トランプ大統領(4月) 「誰もが彼女を愛し、尊敬している。こんな人物は数多くいないだろう」
トランプ大統領が大絶賛した人物…、イタリアのメローニ首相です。大統領就任式ではヨーロッパの首脳で唯一招かれ、私邸「マー・ア・ラゴ」も訪問する仲。イタリアの外交政策に詳しい専門家は、2人の関係をこう分析します。
国際問題研究所 レオ・ゴレッティ氏(イタリア・ローマ) 「彼女のイタリア国内での人気やカリスマ性がトランプ大統領に良い印象を抱かせました」
安定した政治基盤や共通する保守的な姿勢が良好な関係に繋がったといいます。さらに重要なのが、アメリカへの長期的なメリット。
国際問題研究所 レオ・ゴレッティ氏(イタリア・ローマ) 「トランプ大統領にとってヨーロッパとの“橋渡し”であるメローニ首相は重要な存在です。トランプ政権が期待する防衛比増額など、メローニ首相がEU内で政治的な役割を果たす可能性があるからです」
では高市総理は、どう向き合うべきか。アメリカの政治・外交に詳しい専門家は―
上智大学 前嶋和弘教授 「『シンゾ―』という名前はやはりキーワード。高市さんとしては、自分のカードであるのは 『安倍元総理のまな弟子』だと」
「シンゾー」「ドナルド」と呼びあい、個人的な関係を築いた安倍元総理。前嶋教授によると、その後継者とされる高市総理も、トランプ大統領と相性が良さそうとのことですが、厳しい要求にどう応えるかが課題となりそうです。
上智大学 前嶋和弘教授 「アメリカへの投資や防衛費の増額など(要求)が予想以上に早いペースでくるかもしれない。(トランプ)第1次政権以上に第2次政権の方がどれだけ(アメリカに)貢献できるかがポイントになる」