仙台市教育委員会は、小中学校のプールを段階的に廃止して水泳の授業を民間などの屋内プールで実施する案を示しました。
郡市長「夏の猛暑、酷暑ということもあって現実問題、水泳授業をそれぞれの学校で実施できない状況もあったと聞いている」
仙台市立の小中学校では年間10時間程度、水泳の授業を学校のプールで行っています。
仙台市教育委員会は2026年度以降、段階的に学校のプールを廃止して、民間などの屋内プールで水泳の授業を行う案を示しました。
理由について仙台市教育委員会は、夏の暑さを挙げます。
仙台市教育委員会岡本直哉健康教育課長「暑さ、猛暑が激しくなっておりまして、実際に小中学校の3分の1の学校が水泳を中止せざるを得ない状況に陥っていて、このことから屋内にある民間等のプール施設の利用を検討するに至っている」
そして、7割以上の学校ではプールが作られてから31年以上経っていて、建て替え費用も課題となっています。
仙台市教育委員会岡本直哉健康教育課長「プールを設置する費用は、一般的に2億円から3億円必要となるということも言われているので、そういったコストも勘案して民間委託の方にメリットがある」
水泳の授業を、既に学校以外のプールで行っている自治体もあります。
宮城県名取市の高館小学校で2024年に行われたモデル授業では、児童は学校から車で15分ほど離れたスイミングスクールで水泳の授業を受けます。
高館小学校のプールは設置から45年以上で老朽化が進んでいて、建て替えには3億円もの費用が掛かると試算されました。更に、プールの点検など教職員の負担も課題でした。
高舘小学校伊藤紫乃教諭「朝早く来て水質検査とか、汚れたらきれいな水にする。放課後と朝の活動で、当番を組んでプールを管理していた」
モデル授業は児童からも教職員からも好評だったことから、高館小学校では2025年度から正式に校外でのプール授業に切り替えました。
一方で仙台市議会では、議員から実現可能なのかといった疑問も出ました。
これに対し仙台市教育委員会は、仙台市と近郊に約40カ所の民間などのプールがあり、支障なく実施できると説明しました。
仙台市教育委員会はパブリックコメントなどを求めた後、2026年1月にも方針を固めることにしています。