26日に投開票された宮城県知事選挙には、夏の参議院選挙で躍進した参政党も加わり選挙は、まれに見る大接戦となりました。

 県政史上最多となる6回目の当選を決めた村井氏の目には、うっすらと光るものがありました。

 村井氏の得票数は約34万票。初当選した2005年の36万票を下回り、6回の選挙の中で自身の最低得票となりました。

 次点の和田政宗氏に約1万6000票差に迫られる、まさに薄氷の勝利でした。

 村井嘉浩氏「今まで経験した事の無いような選挙でございました。まるで1つの政党、参政党と戦っているような選挙でございました。非常に苦しかったです」

 一方、僅差で敗れた和田氏。

 和田政宗氏「一党一派ということではなく、皆様方とですね共に手を携えて戦った選挙だったなあというふうに思っています」

 和田氏は自民党所属ですが、参政党と政策覚書を結んで選挙に臨みました。選挙期間中は参政党の神谷宗幣代表が4回にわたって仙台市に入りました。

 参政党神谷宗幣代表「それから外国人の労働者も来ていただくのは一部そら受け入れますよ。すぐに全部出せとか、我々別に排外主義じゃないし、鎖国しろって言ってるんじゃない。受け入れるんだったらちゃんとルールを決めて、期間を決めて、終わったら帰ってもらうですよ」

 神谷代表は村井氏の多選に加え、村井県政が進める外国人材の受け入れ策や水道事業などについて批判を繰り広げて、和田氏を猛烈に後押ししました。

 和田氏の躍進はデータからも明らかです。 市町村別の開票結果を仙台市5区の合計と、仙台市以外に分けたグラフでは、大票田となる仙台市では和田氏が約17万票を獲得し、村井氏を3万6000票余りも上回りました。

 ただ、村井氏は仙台市以外で和田氏を5万票以上リードしていて、最終的に逃げ切った形になりました。

 和田氏は若い人からの支持も集めています。khbが行った出口調査による年代別の投票先では、10代から40代では和田氏がリード、30代では6割近い支持を得ました。 50代は両者が拮抗し、村井氏は60代以上の世代でリードしました。

 こうした傾向はSNSを使った情報拡散に強みを持つ参政党の影響とみられ、選挙中の情勢調査では村井氏と和田氏の接戦が伝えられました。

 選挙戦最終盤には。

 村井嘉浩氏「私は今、数ポイント負けています。和田候補に負けています。本当に負けています。大変苦しい選挙でございます。どうか皆さんよろしくお願い申し上げます」

 負けを覚悟し、選挙期間中にもかかわらず敗戦の弁を考えていたという村井氏に、この人が応援に駆け付けました。

 郡仙台市長「これからも村井県政と郡市政としっかりとタッグを組みながら、東北をより良い所にするために力を発揮していただきたいと思っています」

 27日、村井宮城県知事は当選後初めての記者会見に臨みました。

 村井嘉浩氏「もう1期やっていいと後押しをしていただいた何よりの証拠ですから、自信を持って思い切ってやっていきたいというふうに思っております」】