28日も宮城県各地でクマの目撃が絶えません。こうした中、9月に始まったばかりの緊急銃猟の手順を自治体の職員が確認する訓練が、宮城県大和町で行われました。
仙台市泉区では27日夜、住宅街近くの幹線道路でクマが目撃されました。
警察によりますと27日午後10時20分ごろ、泉区上谷刈4丁目の仙台北環状線の歩道にクマ1頭がいると110番通報がありました。
クマはその後西側の雑木林に移動し、被害などは確認されていません。
約1時間半前には数百メートル離れた市道でもクマが目撃されています。
近くの幼稚園では、職員の見回りや園児の外遊びの時間を短くするなど対応に当たっています。
このほか、住宅が立ち並ぶ気仙沼市常楽など28日も各地でクマの出没が相次ぎました。
こうした中、28日に大和町で行われたのは9月に始まったばかりの緊急銃猟の手順を確認する訓練です。
各市町村の職員や警察など約110人が参加し、県職員の指導の下で発見から避難誘導、発砲に至るまでの一連の流れを確認しました。
緊急銃猟とは、市町村長の判断で住宅街などに出没したクマを緊急に銃で駆除できる新しい制度です。
これまでは、危険性を判断した警察官の指示によって猟友会の会員がクマへ向け発砲していましたが、この制度によって市町村長の判断で発砲が可能になりました。
宮城県では15日、仙台市太白区の住宅街の雑木林に現れたクマに対して全国で初めて緊急銃猟によって猟友会のハンターによって駆除されました。
緊急銃猟による発砲には、4つの条件があります。
1.クマが人の生活圏に侵入している
2.人への危害を防ぐため緊急対応が必要
3.発砲以外の方法では捕獲が困難
4.住民に発砲による危険が及ばない
これら4つの条件を全て満たした場合に発砲が可能になります。
訓練では、15日と同様にクマが市街地に居座ったことを想定し、自治体の担当者が周囲の安全を確認した上で危険区域を指定しました。
駆け付けた猟友会が、弾が後ろへ貫通しないようトラックの上から角度を付けて銃で撃ちクマを駆除していました。
大和町農林振興課赤間覚課長補佐「いかに住民の方に危害を与えることなくやるか、通行制限や避難誘導をどのようにしたら良いか、今後考えていかなければならないと思いました」
宮城県自然保護課砂金義徳課長「実際の行動であるとかを改めて確認できたことは良かったと思う」
宮城県では30日までをツキノワグマ人身被害防止強化期間として、一層の注意と警戒を呼び掛けています。
なお、大崎市が緊急事態宣言を発令しました。対策本部を設置して警戒を強化します。