日本一危険な動物園で新たな疑惑です。川の水を無断で飼育用の水として使っていた疑いも浮上しています。
先月末に閉園した体験型動物園「ノースサファリサッポロ」を巡って捜査に乗り出した北海道警察。運営会社「サクセス観光」の星野和生前社長が警察から任意で事情聴取を受けていることが分かりました。
問題発覚後、公の場に姿を見せていない星野前社長。ノースサファリサッポロを立ち上げた人物です。
その星野前社長を知る人は…。
星野前社長を知る人 「やり手ですよね。エネルギーもありますし、動きも軽いしね。パッパッパと動くような人で。体が先に動くような、思ったらすぐに動くような感じなんじゃないかな」
先週、行われた家宅捜索の容疑は、市街化調整区域に無許可で飼育小屋などを建築した都市計画法違反など実に6つに上ることが分かりました。その1つが川の水を無断で使用した、札幌市の普通河川管理条例違反の疑いです。
札幌市によると、ノースサファリは開園当初の2005年から近くを流れる滝の沢川に勝手に取水管を設置し、川の水の一部を園内に引き込んでアザラシやビーバーなどを飼育する池に使っていたということです。
アザラシといえば去年秋、アザラシと一緒に宿泊するプランを巡って動物虐待ではないかとの苦情が札幌市に寄せられ、立ち入り調査が行われたこともありました。
閉園後も300頭以上の動物が残されているノースサファリ。札幌市は動物を速やかに移動して違法建築物を撤去するよう求めていますが、まだ100棟以上が残っているといいます。
札幌市都市局 開発指導課 坪田修一課長 「122棟の建物について、12月26日までに除却しなさいという勧告を行っています」
市は12月26日までに建物が撤去されない場合、より強い「除却命令」を出す可能性を示唆。ノースサファリ側はすべての動物を移動させることが求められています。
札幌市都市局 開発指導課 坪田修一課長 「我々とすれば、除却命令も履行されなかったとなると、次の進む手段としましては警察への刑事告発などが考えられるかなと思っています」
建物を強制撤去する行政代執行が難しいため、除却命令違反を踏まえて刑事告発することを検討するということです。
札幌市都市局 開発指導課 坪田修一課長 「自分たちで建物を増やして動物を持ってきて、これだけ事業を拡大してきているので、後始末については、まず事業者が自分の責任において動物の搬出ですとか建物の除却を行うのが本来の筋ではないのかと」
ノースサファリ側は「動物は殺処分せず責任を持って最善の方法で進めていく」としています。