6日朝、仙台市泉区の路上で自転車通勤をしていた男性がクマと衝突し、けがをしました。

 塩月菜々瀬記者「男性は道を自転車で下っていたところ、左側から飛び出してきたクマと衝突しました。その後クマは道路を横断し南の茂みの方へ入って行ったということです」

 6日午前5時ごろ、泉区西田中露払屋敷の路上で自転車で通勤していた20代男性がクマと衝突し転倒しました。男性は首や頭などを打つけがをしました。

 住民「嫌ですよね、飛び出してこられたらね。茂みのそばは寄らないようにしてます」「団地そのものが林に囲まれてるからね、いても不思議は無い。最近はもう夜歩かないようにしてるから」

 西田中地区と隣接する住吉台地区では、5日までの1週間で計11件のクマの目撃情報があり、警察などが警戒を呼び掛けています。

 仙台市は、6日から電動スクーターを使ってクマの出没への注意を市民に呼び掛けることになりました。

 電動スクーターは、市中心部の広瀬川沿いや泉区の住吉台地区などクマの出没が相次いでいる地域を中心に、登校や下校時間などに合わせて走行します。

 映像や音声を流しながら走行することで、クマを寄せ付けない効果が期待できるほか、市民にクマに遭遇しない方法や人里に引き寄せないための方法を知ってもらう狙いがあります。

 仙台市環境共生課金久保美喜課長「柿とか栗とか生ごみとか餌になる物があると繰り返し出没する原因にもなりますので、きちんと管理いただいて引き寄せないようにご協力をお願いしたい」

 電動スクーターは、12日まで走行します。

 全国でクマによる被害が相次ぐ中、宮城県を含む北海道東北地方知事会は、国に対し財政支援などを求める緊急要望を取りまとめました。

 唐牛樹三郎記者「クマによる人身被害が過去最悪となる中、対策の強化が急務となっています」

 青森県むつ市で開催された会議には8道県の知事や副知事が出席し、クマ対策について話し合いました。

 2025年度はクマによる人身被害が多発していて、5日現在、岩手県で5人、秋田県で4人、宮城県で1人が亡くなるなど深刻化しています。

 こうした中、秋田県の鈴木健太知事は防衛省への要請は苦渋の決断だったと述べました。

 鈴木秋田県知事「今回非常に秋田県の状況が危機的であるということで、非常に例外的にと言いますか、特別に防衛大臣の決断によって、これは土木工事等の受託という任務のカテゴリー、災害派遣ではありません、これによって派遣をしていただきました」

 このほか、出席した知事からはクマに県境は無く、広域的な連携が必要だといった意見が出ました。

 そして知事会として、クマをはじめとする野生鳥獣による被害を防ぐため鳥獣被害防止対策交付金の予算を確保することや、鳥獣確保の担い手確保への支援を求める緊急要望を取りまとめました。

 国は、緊急的な対策を含むクマ被害対策施策パッケージを11月中旬までにとりまとめる方針です。