東日本大震災で亡くなった青い鯉のぼりが好きだった、宮城県東松島市の5歳の男の子を題材にした絵本が完成し、14日に贈呈式が行われました。
震災による津波で犠牲になった東松島市の当時5歳の伊藤律くんは生前、青い鯉のぼりが好きだったことから、毎年5月5日の子ども日に兄の伊藤健人さんらが鯉のぼりを掲げる取り組みを続けています。
この取り組みに共感したドイツの児童書作家のソフィ・ボーネルさんらは、2024年6月から律くんと青い鯉のぼりを題材にした絵本を制作していました。
完成を受けて、14日に東松島市で贈呈式が行われました。
絵本のタイトルは「龍になった青い鯉のぼり」。
制作に当たりソフィさんらは、健人さんらから震災当時の状況や弟の律くんのことなどを聞き取り、震災の教訓を世界中に伝えるため日本語とドイツ語の2カ国語表記で絵本を完成させました。
伊藤健人さん「海を越えてドイツの皆さんと思いをつなげてこの絵本の制作になったということで、改めて私たちが常日頃言っている人のつながりから得られるパワーというのはものすごいなというのを感じたところであります」
ソフィさんは「悲しいことは世界中で起こっている。悲しみと向き合ってどうやって乗り越えていくか考えるきっかけになれば」と話していました。
完成した絵本は、東松島市や石巻市の幼稚園や小学校に寄贈され防災教育に役立てられるということです。