これまで使われてきたいわゆる紙の健康保険証は、12月1日で有効期限が切れて原則として利用できなくなります。紙の健康保険証に代わるマイナ保険証を使っている人はまだ限られていて、12月には混乱も予想されます。

 マイナ保険証の10月の利用率は、全国で37.1%、宮城県では34.7%と依然として低いままです。

 12月2日以降、医療機関で保険診療を受けるにはマイナ保険証を使うか、健康保険組合などから送られてくる資格確認書を使うかです。

 マイナ保険証のメリットは、過去に処方された薬などの情報を共有できてデータに基づく診療が受けやすいこと、確定申告をする際に医療費控除が簡単にできることなどが挙げられます。

 しかし、情報漏えいへの不安などからマイナ保険証を使いたくないという人もいますが、資格確認書があればこれまでの保険証と同様に利用することができます。

 資格確認書は、既に届いていたり届いていなくても12月1日までには届くことになっています。

 厚生労働省ではいつ届くかなど疑問がある人は、健康保険組合などに問い合わせて欲しいとしています。

 制度が分かりにくいといった声が絶えない中、医師や歯科医師でつくる宮城県保険医協会では、受け付け時に手で入力していた作業が不要になるなどメリットがある一方で、医療現場ではトラブルも絶えないと訴えます。 宮城県保険医協会上田真実事務局長「回線のトラブルだったりとか高齢の方が暗証番号分からないとかで、きょうはこれ使えないんですって言うと怒って帰っちゃうとか」

 全国保険医団体連合会が2月から4月にかけて全国の医療機関を対象に行った調査では、回答した医療機関の9割で何らかのトラブルが発生していました。回答した約7割の医療機関が紙の健康保険証も併用できるようにすべきと答えています。

 宮城県保険医協会上田真実事務局長「マイナ保険証は使いたい方はもちろん使えばいいし、それに関して私たちは否定するものではないんですけれども、マイナ保険証と健康保険証の併用を引き続き認めてほしいというのが私たちの訴え」

 紙の保険証の有効期限は12月1日までですが、国は仮にマイナ保険証も資格確認書も持たずに病院などの窓口に来てしまった患者について、紙の保険証を持っていれば2026年3月末までは今まで通り保険医療を受けられると発表しています。