伊達政宗の外交戦略を示す重要な資料が、仙台市博物館でから公開されています。
今から約400年前、仙台藩から支倉常長らがヨーロッパへ派遣された慶長遣欧使節の一行は、当時スペイン領だったメキシコを経由してスペイン、ローマを訪問、スペイン国王やローマ教皇と謁見しました。
18日から特別公開が始まった資料は、政宗が託した書状の元となった控えの文書です。
文書の最後には「エスパニアの国大帝王ドン・フェリペ様」とあり、文書には一行が出発直前の日付が記されています。
学芸員の佐々木徹さんは使節派遣の目的は、メキシコ、スペインとの貿易協定の締結だったと説明します。
佐々木徹さん「スペイン国王、メキシコ副王といった海外の要人たちへの実際の書状が残っていない中で、現存しない資料の内容を明らかにする意味でも大変重要だと考えている」
スペイン領のメキシコ副王宛ての文書もあり、佐々木さんは政宗がスペイン本国との協定締結を狙いつつ、短期的にはメキシコとの貿易も目指す二段構えの外交戦略だったと指摘します。
佐々木徹さん「新たな解釈が可能である部分からも今回の資料は大変貴重かと思います」
この文書は2月15日まで、仙台市博物館で公開されています。