2月14日はバレンタインデーです。日本にはどのように広まったのでしょうか。
1932年に神戸市のチョコレートブランド、モロゾフの創業者が2月14日に愛する人に贈り物をするという欧米の文化を広めようと、日本で初めてバレンタインデーにチョコレートを贈ることを提案したと言われています。
1935年には、モロゾフによる日本初のバレンタインチョコレート広告が新聞に掲載されています。
1950年代ごろからはメーカーの販促活動もあり、当時チョコレートの消費者の多くを占めていた女性が男性に贈って愛を伝える、本命チョコの文化が定着し始めました。
1980年ごろになると女性の社会進出が進み、職場などで男性社員に渡す義理チョコが定番になりました。
しかしその後、バブル崩壊や不景気などもあり義理チョコは下火になり、代わりに自分のためのご褒美チョコや友達に贈る友チョコ、男性から女性に贈る逆チョコなど多様化します。
2020年ごろからは物よりも事、体験などを重視する嗜好が高まり売り場でパティシエとの交流を楽しむなどのイベント色が強まります。
時代に合わせて、贈り方や企業戦略も変わってきているようです。
バレンタイン商戦真っ只中の百貨店で、現代のバレンタイン事情を調査しました。
塩月菜々瀬記者「仙台三越で開催されているサロン・デュ・ショコラは多くの人でにぎわうチョコレートの祭典で、皆さんのお目当てを調査します」
毎年約10万人が訪れるサロン・デュ・ショコラには100以上のブランドが出店し、シェフこだわりのチョコレートが並びます。
「息子たちに竹鶴チョコ。お友達とか子どもたちとか孫たちも喜んでくれるので、それが一番うれしいです」「生チョコとトルコのチョコレートを買いました。仕事終わりで疲れた時にコーヒーでも飲みながら、ゆっくり時間を過ごしたいなと思います」
会場に著名なシェフが訪れ、来場者と交流する機会も設けられます。
シェフのアクリルスタンドを持参するファンもいて、推し活さながらの盛り上がりです。
「すごくうれしくて、ずっとお会いしたいと思っていたので感動しました」
企業の販売戦略があったとはいえ、もともとは欧米の文化であるバレンタインデーがなぜ日本に定着したのでしょうか。
女性の雇用や暮らしの観点からイベントや文化などについて調査している、ニッセイ基礎研究所の坊美生子さんにお話を聞きました。
ニッセイ基礎研究所坊美生子さん「日本の贈答文化って、贈って贈られてお返しをするっていうのは元々ありますよね。1980年代1990年代は、働く女性の地位が今よりもっと低くて女性たちが自分たちの発言権を得るため、あるいは自分たちのことをもっと見てほしい気遣ってほしいっていうサインを出すために、チョコレートという媒体を使って贈答した。それが義理チョコだと考えられます」
日本にバレンタインデーが広まった背景には、お中元やお歳暮など贈り物で感謝を伝える贈答文化、そして働く女性たちが職場で配った義理チョコ。この2つが大きく関係しているということです。
坊さんによると、近年は女性の平均賃金の上昇とともに自分へのご褒美チョコが高級になる傾向があるということです。
また、過去30年間不景気などで消費の落ち込みが心配されていた年も売り上げは大きく減少せず、今後物価高が続いてもバレンタインチョコレートの売り上げ規模は、一定程度維持されていくとみられます。