イラン攻撃をきっかけに石油のニュースが連日報じられていますが、そもそも石油とはどんな物質で、なくなるとどうなるのか。街の疑問をズバリ解決します。

■石油はどうやって作る?

 中東情勢の悪化で関心が高まっている石油。街の人からは、石油についての疑問が出ています。

80代の人 「あらゆるものが石油が関わっているのではないか。新しいもので私たちの衣服も石油で作られている。日用品でも全部石油が関わっているのでは。輸入した原油からどのようにして色々なものが作られているのか」

 答えてくれるのは、石油に詳しい専門家・桃山学院大学の小嶌正稔教授です。

小嶌正稔教授 「原油は化石燃料と言われる。昔、動物などが埋まってその中から作られた油を原油と言う。最初に油のあるところまで穴を掘って吹き上げるかたちで原油を調達する。タンカーに積んで日本まで運んでくる。タンカーで最初に製油所に運ばれる」

 日本には原油から石油製品を作る「製油所」が北海道から九州まで、合わせて19カ所あります。

■原油から石油製品を作る仕組み

70代の人 「石油製品ってどういうものがある?石油が元で色んなものができている」 60代の人 「石油って何種類ある?」

 製油所では、原油からどのような石油製品が作られるのでしょうか。

 製油所にはトッパーと呼ばれる「蒸留塔」があります。ここで原油を熱することで、さまざまな石油製品に変わるといいます。

小嶌正稔教授 「製油所にはトッパー(蒸留塔)と呼ばれるものがある。最初に原油を350℃に熱する。油を蒸気にする。蒸気にした後にトッパー(蒸留塔)の中で順番に温度を上げていくことによって、様々な製品が生まれる。一番軽いものがLPガス(液化石油ガス)、ガソリン、ナフサ、両方ともナフサ成分と呼ばれる。ジェット燃料、灯油、軽油、重油、アスファルト。順番に重いものが出てくる」

 原油は、製油所でガソリンや灯油、軽油、重油などに分かれます。その後、私たちの身近なところで数多く使われています。

■石油の役割は?

小嶌正稔教授 「石油は色んな役割があるが、大きく3つある。1つは『動かす』。自動車、飛行機、船を動かす。その燃料になるのが『動かす』という意味」

 石油の役割、1つ目は「動力となる燃料」です。

 自動車では「ガソリン」や「軽油」が使われていますが…。中東情勢の悪化による原油高騰で、レギュラーガソリン1リットルあたりの全国平均価格は190.8円と史上最高値を記録しています。

 航空機では灯油に似た石油製品である「ジェット燃料」が、船舶では「重油」が燃料として利用されています。

小嶌正稔教授 「2つ目は灯油を使って『温める』。家でストーブを温めるものから農産物のハウスで温めるものも入ってくる」

 石油の役割、2つ目は「温めるための燃料」です。

 「灯油」は、家庭はもちろん、農業や工業の現場で幅広く使われており、重要な役割を担っています。

小嶌正稔教授 「石油は3つ目の役割として『原材料になる』。例えばナフサから様々なプラスチック製品が出てくる。そして、重油から潤滑油が出てきたりアスファルトが出てきたりする。役割によって姿を変えている。石油なしでは生活ができない」    石油の役割、3つ目は「原材料になる」ことです。

 私たちの暮らしに欠かせない「プラスチック」は、「ナフサ」と呼ばれる石油製品が原料になっています。

70代の人 「原材料が原油と言われて、どう変化するのか分からない。頭に思い浮かべるのはゴムの材料など。ナフサ関係も。そこらへんの知識しかない」

 「ナフサ」から作られるプラスチック製品は、食品から医療に至るまで、実に様々な業界でなくてはならないものとなっています。

小嶌正稔教授 「スーパーに行って色々な袋やトレーがある。すべてナフサから作られる。さらに医療用のパイプや合成製剤、ペットボトルの材料、すべてナフサ、プラスチックから作られる」

■石油はあと何年持つ?

 石油に大きく依存している現代社会。街の人からは不安の声も。

20代の人 「原油がもっと少なくなったら日本はどれだけ不便になる?」 60代の人 「石油はあとどのくらい持つ?」

小嶌正稔教授 「基本的に『あと50年でなくなる』と言われていた」

 石油はあと50年でなくなるのでしょうか。

 世界で確認されている石油の埋蔵量は、およそ1.7兆バレル。サウジアラビアやイランなど、中東がおよそ半分を占めています。続いて、アメリカ大陸が3割ほどです。

 資源エネルギー庁によりますと、石油の採掘可能年数は53.5年となっています。

小嶌正稔教授 「あと50年ということは、今新しいものを作らなければ50年でなくなってしまうが、どんどん新しい技術、石油を掘る技術、油田を発見する技術が大きく進歩することによって『いつも50年はある』。枯渇するかというと、『50年ある』というのはずっと続いていく可能性は高い。最近は衛星から油田を発見する方法もとられている」