ゴールデンウィークのある過ごし方が流行しているということです。JTBが3月に調査したゴールデンウィークの旅行の目的です。
 最も多いのは「家族と過ごす」の28.5%、次いで「食事、地域の味覚を味わう」が25.9%、2つと同じくらい高い割合を占めているのが「リラックスする、のんびりする」です。

 中でも最近は、寝ること以外の予定は入れないという「スリープツーリズム」という旅行が注目を集めています。
 宮城県大崎市鳴子温泉の旅館大沼では、質の良い睡眠に特化したプランを用意しています。
 大沼伸治社長「単に旅するだけではなく、自分の睡眠にプラスになるようなことをすることをスリープツーリズムと言っています」

 スリープツーリズムで睡眠の質を上げる1つ目のポイントは、温泉です。
 井口亜美アナウンサー「結構お湯が熱めなので、足は入っただけでも全身に温かさが伝わるような感じがします」
 塩化物泉などの温泉は、自宅のお風呂よりも体の内部の温度を上げる作用があります。入浴後に反動で体がより多くの熱を放出します。これが眠気を促し、深い睡眠につながります。

 2つ目のポイントは、食事です。プランで提供されるのは、薬膳鍋や茶碗蒸しなどが並ぶ一汁五菜膳です。胃腸に負担が掛かる高たんぱくな食材を避けた睡眠を邪魔しない、ヘルシーメニューです。

 大沼伸治社長「機械を使うことによって、寝ている間の睡眠の状態を見える化できるわけです」
 睡眠時の脳波を計測する特典もあり、普段は気付けない睡眠の課題と向き合うことができます。
 埼玉県から「日常の忙しさから離れて、ゆっくりして整えたいなと思って来ました。温泉入ってからはぐっすり眠れて、温泉入ってストンと寝るという感じで、本当にぐっすり眠れました。
久しぶりでした」

 旅館大沼は、120年にわたり湯治文化を守り続けてきた宿です。湯治は温泉地に数週間滞在して療養する日本の伝統的な過ごし方で、一度は衰退しましたが2泊程度の短い滞在で心身を整える現代湯治、スリープツーリズムとして再び注目されています。
 大沼伸治社長「色々な所を回って忙しく旅をするよりは、お1人で来て温泉入って静かに過ごすような方もここ10年くらい増えてきていて、現代が結構お疲れモードの時代なのかなと感じています」

 なぜ、スリープツーリズムが注目を集めているのか。筑波大学発のスタートアップ企業で、より良い眠りを研究しているS’UIMINの山本さんは、コロナ禍で広がった在宅ワークが影響していると話します。
 S’UIMIN山本健太さん「家はただ単にくつろぐ場所だけではなくて、仕事の場所としても今は一部機能している方が多いんじゃないかなと思っているので、睡眠への悪影響というのはおのずと出てきてしまうのではないかなというのはありますね」

 厚生労働省が2024年に行った睡眠状況の調査では、20歳から59歳の人のうち4人に1人が睡眠で休養を取れていないと答えています。
 S’UIMIN山本健太さん「集中力の低下も知られてきていますので、ミスが増えてしまうというようなところが仕事の中で影響してくる。場合によっては、ちょっと怒りやすくなってしまったりとか、アンガーマネージメントの部分でも影響してきてしまう。スリープツーリズムに関しては、睡眠体験に加えて自分の睡眠を見つめ直す価値があるんじゃないかと考えているところですね」
 山本さんによりますと、スリープツーリズムを体験した人の睡眠時の脳波の測定では、個人差はあるもののおよそ半数の人で、睡眠の質が向上したということです。