世界で初となる完全養殖ウナギの販売が29日から始まる。完全養殖ウナギは近年、高嶺の花となっているウナギの価格にどんな影響を及ぼすのだろうか?

■世界初!完全養殖ウナギ

 食欲をそそる音!そして、炭火で焼かれた香ばしい香り…。日本人が愛してやまないスタミナ食「ウナギ」だ。

 ただ、いまやウナギは高嶺の花。東京・目黒区にあるウナギの専門店を訪ねると…。

八ツ目や にしむら 目黒店 店主 松本清さん 「去年おととし、2年続けてウナギのシラス漁が豊漁だったので。(仕入れ値)1キロ4000円ですから。一時は6000円以上していた」 「(Q.それでも昔よりは高い?)昔よりは高いです。昔は1キロ2000円台でしたからね」

 漁獲量の減少などもあり、価格は20年前と比べ2.4倍ほど上昇している。

 激しく変動するウナギの価格。来週から、そうした状況を変えるかもしれない“新たなウナギ”が試験販売される。それが…「完全養殖ウナギ」だ!

山田水産 養鰻事業 加藤尚武統括部長 「すべてを人工でまかなうというところが、完全養殖のサイクル」

 これまでの養殖のウナギは天然の稚魚を仕入れて育てるのに対し、完全養殖のウナギは、産卵から成魚に至るまですべて人の手で行われるという。

 試験販売まで漕ぎつけたのは、今回が世界で初となる。なぜウナギの完全養殖を行ったのか?そこには、研究者や生産者たちの「熱い思い」があった。

■気になる価格は

 多くの日本人に愛される一方で、その生態は謎に包まれていたウナギ。そんなウナギの完全養殖に成功し、来週から世界初となる試験販売が行われる。

 この「完全養殖ウナギ」を手がけた、「山田水産」の加藤部長は、孵化(ふか)したばかりのウナギの育成がとても難しいと話す。

加藤統括部長 「ちょっとしたことで病気になっちゃうと、全滅という形になってしまうので。朝の8時・10時・12時・14時・16時、1日5回餌(えさ)をやって。餌をやって汚れた水槽は毎回洗う。非常に手はかかりますよね」

 生産者たちが手塩にかけて育てた、“完全養殖ウナギ”は今回、1尾あたり5000円ほどで販売される。

 その価格は、一般的な養殖ウナギの倍ほどの値段。今後の課題は生産コストの削減だ。

「マンパワーでやっていたところを自動化することによって、コストっていうのはさらに下げる要因にはなるのかなと」

 2016年度、1尾あたり4万円と高額だった生産コストは現在、1800円にまで抑えることに成功。今後もさらなるコスト削減を目指しているという。もしかしたら、お手頃な価格でウナギを楽しめる未来がくるのかも?

 加藤部長は、おいしさにも太鼓判を押す。

「ちゃんとウナギの味ですし、脂も乗ってますし、本当に変わらずに、おいしいかば焼きになるかなと」

(2026年5月23日放送分より)