大雨などに関する新たな防災気象情報の運用が、28日の午後から始まります。確実な避難につなげ被害を減らすため、情報を分かりやすく伝えることが狙いです。何がどのように変わり、情報をどのように活用すれば良いのでしょうか。
豪雨災害が全国で激甚化しています。宮城県でも2019年の台風19号による大雨で、洪水や土砂災害により20人の命が失われました。豪雨災害から私たちの命を守るために必要な、防災気象情報が28日午後から大きく変わります。
「大雨や高潮に関する警報などは、レベルと災害の種類とレベルにひも付く警報の種類が必ず入ります」
21日に東北大学で開催された防災気象講演会では、仙台管区気象台の担当者が自治体や学校、企業の防災担当者に新しい防災気象情報について講演しました。
これまでの防災気象情報は、災害が発生する度に新たな種類の情報を建て増ししていたため、名称に統一性が無く分かりにくさが目立っていました。情報を分かりやすく整理するため、気象庁と国土交通省は2024年から有識者を交えた検討会で議論を重ねてきました。
新たな防災気象情報は、災害を「河川氾濫」「大雨」「土砂災害」「高潮」の4つに分けて、それぞれの名称の前に5段階のレベルを明記します。
災害の切迫度は「レベル2・注意報」「レベル3・警報」「レベル4・危険警報」「レベル5・特別警報」と数字が大きくなるほど高まります。より直感的に危険度が伝わるようにしました。
このうち紫色で示される「レベル4・危険警報」は、今回新たに設けられた情報です。レべル4は、自治体が住民全員に避難指示を出す際の目安となります。「レベル5・特別警報」を待つことなく、「レベル4・危険警報」までの段階で避難することが重要です。
仙台管区気象台業務課小林亮太調査官「レベルが5段階あるので5が避難のタイミングなんじゃないかという誤解を幾度か受けたことがあるんですけども、避難のタイミングは4までが最後のチャンス。4までに必ず避難していただくよう皆様にお願いしたい」
新たな防災気象情報では、土砂災害に関する情報の出し方が変わります。土砂災害に関する大雨警報に代わって新たに導入される「レベル3・土砂災害警報」は「レベル4・土砂災害危険警報」の発表が見込まれる場合に発表されます。これまでの従来の警戒レベル4相当、土砂災害警戒情報は廃止されます。
土砂災害では「レベル3」が出た時点で、「レベル4」となる可能性が高いため、より警戒が必要です。
仙台管区気象台業務課小林亮太調査官「レベル3が出た時にまもなく避難の必要があるということで備えたりですとか、あるいは安全な場所に先に避難するということも視野に行動していただければと思います」
新たな防災気象情報の運用開始に当たり、住民に避難情報を出す自治体も対応に追われています。2019年の台風19号で関連死を含め宮城県で最も多い11人の犠牲者を出した丸森町では22日、気象台の担当者が町役場を訪れ危機管理担当者と意見交換しました。
丸森町総務課齋藤裕一危機管理専門官「夜になって警報、危険警報が出ますよみたいな話になっても町としては遅いんですよね。明るいうちに出さないと」
気象台は、新たな防災気象情報の運用開始に当たり各自治体が抱える災害リスクなどを伝えています。
仙台管区気象台気象防災部予報課佐藤賢一防災係長「阿武隈川ですとか洪水予報を実施している河川については、洪水予報の対象河川となります」
2019年の台風19号で被災した丸森町では、150カ所で発生した土砂崩れに加え河川の氾濫による被害も深刻でした。
丸森町総務課齋藤裕一危機管理専門官「2019年の台風19号では、河川も氾濫しました。阿武隈川という一級河川、洪水予報河川が氾濫したわけではなくその支流の雉子尾川だったり内川が氾濫しているので」
新たな防災気象情報では、河川の氾濫に関する情報も大きく変わります。洪水警報が廃止され、氾濫警報が導入されます。しかし、氾濫警報は全ての河川の危険度を示すわけではなく、対象は阿武隈川のような大きな河川です。2019年の台風19号で氾濫したような大きな河川に流れ込む中小の河川は、大雨警報の中で発表されるようになります。
中小河川の流域住民にとっては、「レベル3大雨警報」や「レベル4大雨危険警報」の発表が、氾濫のリスクも伝えていることを理解する必要があります。特に、より早いレベル3での避難が必要な高齢者を多く抱えることから、丸森町は地区ごとに説明会を開催するなど住民の避難行動に結びつくよう周知を図っています。
丸森町総務課齋藤裕一危機管理専門官「ホームページだけを見るとか配ったちらしだけを見て理解してもらえるということは、なかなか難しいのかなと思っているところもあります。各地域の防災訓練だとか、防災講話だとかで周知を図りたいと思っています。台風や大雨の被害を想定した訓練を行っていますので、新たな防災気象情報に関して取り入れて訓練を行いたいと思っています」