夏の炎天下、自動車のダッシュボードに置かれたモバイルバッテリーがだんだんと膨張して煙が出ると発火する映像は、製品の事故に関する情報収集や調査をするNITE=製品評価技術基盤機構がモバイルバッテリーの火災事故を再現しました。
直射日光で高温になった車の中で、バッテリーに内蔵されているリチウムイオン電池が異常な化学反応を起こしたため発煙して発火しました。気温が上がるこれからの時期に、特に注意が必要です。
NITEの調べによると、リチウム電池搭載製品の事故の発生件数は春から夏にかけて増加していて、6月から8月にかけてピークとなります。NITE東北支所長の齋藤康之さんによると、事故は主に製品そのものに原因がある場合と、炎天下の使用など使用方法に問題がある場合の2つに分けられるということです。
製品が原因の場合です。リチウムイオン電池にはプラス極とマイナス極の2つの電極があり、それぞれの極はセパレータと呼ばれる絶縁体で隔てられていますが正しく設置されていない場合、製品内部でショートし、火災の原因となります。
こうした問題のある製品は、海外の通販サイトなどを中心に安い価格で出回っていることが多いということです。
NITE東北支所齋藤康之支所長「いわゆる安い労働力によって賄われてている製造工場ですと品質管理に不備があるとかもございますので、電池自体の不良品という物は散見している」
齋藤さんによると、安全な製品を見分けるためにはPSEマークがポイントということです。電気用品安全法に基づいて、安全基準を満たしている電気製品に付けられるマークです。対象の電気製品を国内で製造、輸入、販売するためにはPSEマークの表示が義務付けられています。
ただし、近年では偽のPSEマークを掲示している場合もあり注意が必要です。齋藤さんによると、本来であればPSEマークの近くに製造や輸入などをした事業者名が記載されていますが、偽物では起債が無いことが多いということです。事業者名があるかないかも、安全性を見極める大きなポイントです。
そして、製品をどのように使えば火災を起こさないか、火災を防ぐための普及啓発などを担当する仙台市消防局の飯島裕貴予防課長に聞きました。仙台市では、モバイルバッテリー以外でもリチウムイオン電池を使った製品からの出火が相次いでいるということです。
仙台市消防局飯島裕貴予防課長「Bluetoothのスピーカーですとか、もちろんスマートフォンですよね。あとは電気工具、最近ですとイヤホンからの出火もある」
いずれの製品も高温の環境下では発煙や発火の恐れがあるため、これからの時期は直射日光を避けるて熱のこもる空間には置かないなどの注意が必要です。出火を防ぐためには、持ち運ぶ際に製品を落とさないなど衝撃を与えないことも重要です。
仙台市消防局飯島裕貴予防課長「携帯電話をお尻のポケットに入れて転んだりとかそういう衝撃、これからの季節ですと携帯の扇風機を持っていて落下によって衝撃で火災が発生することもあります」
このほか、リチウムイオン電池は電動アシスト自転車や充電式掃除機など、私たちの生活のあらゆる所に使われています。PSEマークが正しくついているかを確認し、使用方法にも注意しましょう。
飯島予防課長は、膨張や発熱、焦げ臭さなど異常を感じた場合は製品をすぐに燃えやすいものから離し水をかけて冷ますなどして、自治体が指定する適切な方法で処分してほしいと話しています。