熊本地震から丸3日、被害の全容はいまだ掴めていません。最大震度7を記録した熊本県宇城市の末松直洋市長に、喫緊の課題、これからの取り組みなどについて聞きます。
■今直面する“喫緊の課題”は
(Q.イオンモール宇城で男性が見つかり、心肺停止の状態というニュースが入ってきました。どのように受け止めましたか)
宇城市 末松直洋市長 「先ほど、私にも連絡がありました。地震発災の翌日から高齢の男性が行方不明と私にも連絡が入っておりました。ただ、詳細は確認中でありますので、間違いであってほしいと願っております」
(Q.地震から丸3日以上が経ちました。宇城市が現在直面している課題、そして想定外だった出来事はありますか)
宇城市 末松直洋市長 「今1番困っていることは水道水の復旧です。宇城市の水道水は人吉豪雨があった球磨川から送水していただいています。宇城市のパイプラインが全滅しておりまして、その本管の復旧はできたんですけど、宇城市にある貯水タンクに貯水をしているところです。31日に2時間ほど、送水試験をさせていただきました。その中で漏水が何カ所もあったということで、その復旧に全力であたっていこうと考えています。それと1番困っていることは避難所の環境問題です。非常に多くの方が避難所におられます。今11カ所、設置しておりまして、そこに3200名ほどの被災者が避難されております。その環境整備をしっかりと進めていこうと思っています。その中にはエアコンも設置されておりますので、熱中症もすごく心配しておるわけであります」
(Q.飲料水と生活用水確保はどのような状況になっていますか)
宇城市 末松直洋市長 「発災当初から飲料水はペットボトルとかで、たくさん持っていただいております。給水車もたくさん県内外から派遣していただいておりますので、飲料水はどうにか確保できているんですけど。そんな中で相談があったのが、医療関係の所からでした。特に急を要したところが、人工透析をされているクリニックからでした。もう一刻の猶予もなかったのであります。県に相談して、自衛隊から大量の水を持ってきていただいて、どうにか命がつながったということです。その他にも医療関係・福祉関係、たくさんのところから要望がありますので、県内外からの給水車によって徐々に給水ができているところあります。生活用水はまだまだ、確保できていないのが現状です」
■“連日の猛暑”熱中症の危険は
(Q.今回は地震の被害に加えて猛暑という災害とも向き合わなければならないと思います。どのような考えで臨まれていますか)
宇城市 末松直洋市長 「避難所に入られてるばかりではありません。車中避難をされている方もおられます。そのような方たちに宇城市にも保健師がいるんですけど、その保健師だけでは到底、被災者の身の回りのお世話とか、健康問題に対応することはできません。DMATや日本赤十字、色んなところから支援していただいて、丁寧に被災者の相談に乗っていただいております。1人でも困っている方たちを助けていきたいと考えております」
(Q.避難所には電気は届き始めていますか)
宇城市 末松直洋市長 「全部が電気が届いているわけではありません。1カ所のとても大きな避難所には電源が備えております。そこには九州電力さんから送電車を持ってきていただいたり、福岡市からも電源車を持ってきていただいておりますので、どうにかエアコンの効いた避難所を確保することが今現在できております」
(Q.熱中症の患者数について熊本県に聞いたところ「自治体の中には、地震の対応に追われて数字がまとめきれていない所もあるのではないか」と話をしていました。宇城市では熱中症の数の把握は難しいところはありますか)
宇城市 末松直洋市長 「救急車が避難所の方に1日に何回も来ていると伺っております。熱中症だけじゃなくて、体調を崩したりされている方もおられるので、そのような正確な数字は正直分かっていないのが今の現状です」
(Q.建物の被害について、担当者によりますと、市に報告として上がっているのが14件ということですが、全容を把握するのは現段階では難しいですか)
宇城市 末松直洋市長 「もうしばらくかかると思いますが、多分この数十倍は確実に被災しております。熊本県などに応急の対応していただいておりますので、もうしばらくしたら詳細が分かるんじゃないかと思っております」
■“災害関連死”を防ぐためには
避難生活が長くなってくると問題となるのが、避難生活や家庭における身体的・精神的な負担が原因で亡くなると言われている“災害関連死”です。
2016年に発生した熊本地震では275人の方が亡くなりました。地震による直接的な被害で亡くなった方は50人で、災害関連死で亡くなった方が225人と、地震の後に亡くなった方が約8割ということになります。
また、おととしの能登半島地震では748人が亡くなりました。直接的な被害で亡くなった方は228人で、災害関連死は520人と、こちらも間接的に亡くなった方が多くなっているという実情があります。
(Q.避難生活されている方への身体的・精神的なケアが大事になってくると思いますが、どう取り組みますか)
宇城市 末松直洋市長 「発災から72時間経って、もう人命確保を最優先にやってきたんですが、次のフェーズに移っていると思います。被災された方たちの環境整備、2次避難所、長期的には仮設住宅の設置・入居あたりも考えながら、1人の関連死も出さないように、しっかり頑張っていきたいと思っております」
■課題は深刻な“マンパワー不足”
(Q.市としてできること、それ以上できないこともあると思います。今後、国などに求めることは何ですか)
宇城市 末松直洋市長 「宇城市の職員も400人いますが、その400人の職員も被災しております。職員も被災しながら全力で頑張っていますが、どうしてもマンパワーが足りません。支援物資とか色んなものを県内外から送りたいということでありますが、それを仕分け・配送する職員・人手が足りません。できれば人、マンパワーが欲しいわけであります。ぜひそのことを全国の皆さんにお願いしたいと思います」
(Q.お忙しい中、大変な中、ご協力ありがとうございました)
宇城市 末松直洋市長 「全国の皆さん、励ましの言葉、お見舞いの言葉をいただき、大変ありがとうございます。全力で復旧・復興に頑張ってまいります。よろしくお願いいたします」