札幌市の病院が発注した敷地内薬局整備事業を巡り入札妨害の罪に問われた調剤薬局の元社長ら2人の裁判で、最高裁は無罪とした2審判決を破棄し、元社長の審理を高裁に差し戻し、元取締役に有罪判決を言い渡しました。

 無罪とした2審判決が破棄されたのは、調剤薬局大手の「アインファーマシーズ」の元社長・酒井雅人被告(57)と元取締役・新山典義被告(58)です。

 2人は2020年に札幌市の総合病院「KKR札幌医療センター」の敷地内に設置する薬局を決める公募型プロポーザルで、病院の当時の事業部長から他社の提案内容を得て自社に有利な企画提案書を再提出した入札妨害の罪に問われています。

 裁判の争点は今回の公募型プロポーザルが入札に当たるかどうかで、1審の札幌地裁は、2人に懲役6カ月、執行猶予2年の判決を言い渡しました。

 一方、2審の札幌高裁は「入札」にあたらないと判断し、2人に無罪判決を言い渡しました。

 検察側は不服として上告していました。

 28日の判決で最高裁は、今回の公募型プロポーザルについて「応募者は互いに他の応募者の申し出る内容を知らず、自己の申し出によって応募者に競争させるもの」とし「優劣の評価方法には客観性や公平性があった」と指摘しました。

 そのうえで「競争入札の実質を有する」と判断して2審判決を破棄し、酒井被告については共謀の有無などについて審理を尽くす必要があるとして、審理を札幌高裁に差し戻し、新山被告については懲役6カ月、執行猶予2年とした1審判決を支持しました。