スペインの飛び地・セウタでモロッコから大量の不法移民が押し寄せた問題を巡り、スペイン国王のフェリペ6世は「EU(ヨーロッパ連合)全体に責任がある」として支援を訴えました。
セウタには7月末、モロッコから7万人以上の不法移民が流入し、現在も1万人ほどが仮設シェルターや路上などで生活しています。
スペインの国王フェリペ6世は29日、フランスのマクロン大統領を迎えた晩餐(ばんさん)会で、不法移民問題の対応は本来、EU全体が責任を負うべきだと主張しました。
そのうえで、「EUの外郭国境にあたる国だけが単独で責任を負うのは不可能だ」と述べ、支援を訴えました。
この問題を巡っては、イタリアが一時的にスペインとの国境でシェンゲン協定を停止して国境検査を再開するなど、加盟国の間で分断が表面化しています。
スペイン政府は不法移民の送還手続きを迅速化するために亡命ルールの変更を模索していますが、NGO(非政府組織)や人権派弁護士から「人権条約に違反する懸念がある」と批判が上がっています。
こうした事態を受けてEUは29日、国境警備を担う機関「フロンテックス」の権限を強め、不法移民が殺到するなど緊急時に現地へ警備隊をすぐに派遣できるように「常設部隊」を設ける計画を発表しています。