東北大学は、新型コロナウイルスの感染者を車で運ぶ際に、運転手への感染リスクを減らすためには「エアコンを外気導入でつけ、車の窓は閉める」と良いとする検証結果を公表しました。

 こちらは運転席と後部座席の間に仕切りがある新型コロナ患者の移送用の車で、車内の空気の流れが見えるようにした東北大学の実験映像です。

 この実験は、仙台市が感染者の移送業務を行うドライバー向けに作成したマニュアルの妥当性を確認するため、東北大学に依頼して行われました。

 白い煙を後部座席に流し込み、エアコンを「外気導入」でつけた車の運転席の窓を「開けた場合」と「閉めた場合」のふた通りで行われました。

 窓を閉めた場合は、後部座席に煙が充満しても運転席に煙は入ってきません。一方、窓を開けた場合は白い煙がすぐに運転席に流れ込みました。

 実験を行った東北大学流体科学研究所の太田信教授は、次のように分析します。

 東北大学流体科学研究所太田信教授「仕切り自身は、ぴったりと密閉しているわけじゃなくて、下の方とか空いているような状況だったんですけど、(窓を閉めた場合)ドライバー側が圧力をエアコンによって保たれていた状態だったのが、窓を開けることによってドライバー側と外側が同じような圧になってしまって、逆に後ろ側の方が若干高いような状況になっていて、それが逆流の原因になったのではないかなと」

 太田教授は、一般の人が感染が疑われる家族などを車で運ぶ際、完全に密閉されなくても良いので仕切りを設け、エアコンをつけてすべての窓を閉めることで感染リスクを減らせると話します。

 東北大学流体科学研究所太田信教授「できるかぎり後部座席もドライバー側も、あと助手席の方も(窓を)閉めておいて、エアコンを外気を入れたような形をとって、運転されるのがいいのかなと」