政府が子どものマスク着用を可能な範囲で推奨したことについて、仙台市内の保育施設では「園児の着用は限界がある」と戸惑いの声が聞かれました。

 宮城野区にある「いぶき保育園宮城野」には、0歳から4歳までの40人の園児が通っています。

 基本的な換気やこまめな手洗いに加え、1日最低3回の検温など感染対策を取ってきましたが、マスクについては一律での着用は求めてきませんでした。

 いぶき保育園宮城野阿部千鶴子園長「マスクを着けていると、やはり顔色がなかなか判断できないというか、口元が見えないので、唇の色の判断がつかないので、体調が悪いなというのを以前よりも把握しにくくなるというのありますね」

 こうした状況の中、新型コロナ対策に当たる政府の分科会は、2歳以上の保育園児についてマスク着用の推奨を打ち出しました。

 こちらの園では政府の推奨を受けて、園児5人が保護者の判断でマスクを着用するようになりました。

 一方、子どもたちを預かる施設側では、管理上の難しさもあります。

 いぶき保育園宮城野阿部千鶴子園長「(マスクを)ずっと朝から登園から着けている子は少なくて、来て20分ほどでぽいっと外してしまうことが多いので。マスクをお友達が触ってしまう。届けに行ったりとか(危険もある)。理解しながら着けないと、なかなか効果も出ないし」

 また、政府が方針を示したことにより、マスク着用への同調圧力が強まることも不安だと言います。

 いぶき保育園宮城野阿部千鶴子園長「ご家庭の判断を一番やっぱり重視したいと思うけれども、中には肌が弱くてマスクを着けられないお子さんもいると思うので、マスクをしてない子が悪いと見られるのだけは、ちょっと保育園としては嫌というのはありますね」