各地で目撃が相次いでいるクマですが、餌となるブナの実が大凶作となる予測です。今後更に人里への出没の恐れが高まります。
東北森林管理局の調査によると、2025年度のブナの開花状況が悪いことから、管轄している福島県以外の東北5県でブナの実が凶作になると予測しています。
これから秋口にかけては、冬眠に向けて食料を確保するためクマが活動範囲を広げる時期ですが、宮城県はクマの餌であるブナなどの木の実の出来が活動範囲にも影響する可能性を指摘します。
宮城県自然保護課松川雅俊主幹「実際に山の中で餌を確保できなくなってまいりますので、更に山から人里に下りてくるといったことも今後出てくると考えられます」
2026年以降、木の実が豊作になったとしてもクマの習性を考えると安心はできないと言います。
宮城県自然保護課松川雅俊主幹「前年ここに餌があったということを覚えていれば、山の中に餌があってもそこに執着して、人里に下りてくるというようなことは考えられますので」
宮城県では、2025年度に入って300件を超えるクマの目撃が報告されています。
7月に着目すると、2024年は月全体で155件に対し2025年は上旬のみで107件でした。
県では、クマの目撃情報などをまとめた地図をwebサイトで公開している他、SNSなどで注意喚起しています。
宮城県自然保護課松川雅俊主幹「実際にお出掛けになられる場所で、クマが目撃されているかどうかということを知るための材料になりますので、ご活用いただいてクマに出会わないようにしていただくことを対策の一番に考えさせていただいております」
これから夏休みの時期になり、山登りやキャンプなどでクマの生息域に近付けば、クマと遭遇する危険性が高まります。
宮城県は個人でできる対策として「単独ではなく複数人で行動する」「クマ鈴、ラジオなど音の鳴るものを携帯し人の存在を知らせる」「生ごみ、家畜の餌などクマの餌ととなるものを屋外に放置しない」ことなどを呼び掛けています。