宮城県南三陸町で30年ほど前に見つかったイカに似た海の生き物、ベレムナイトの化石が研究の結果、世界最古だったことが分かりました。ベレムナイトが東アジアで誕生したことを確実にする、大きな発見だということです。

 この研究を手がけたのは、東北大学などの研究チームです。南三陸町歌津地区の地層で仙台市の化石採集家、高泉幸浩さんが発掘した化石を5年ほど前に譲り受け、分析を進めてきました。

 上野比呂企アナウンサー「こちら世界最古の化石の実物です。胴体から先端にかけて伸びる鞘とよばれる部分の化石ですが、実際に生きていた場合、20センチほどのサイズと見られています」

 べレムナイトは、アンモナイトや現代のイカの仲間で、全長2メートルほどになるものもあります。

 これまでは1984年ごろに南中国で見つかった化石が最古とされてきましたが、今回はそれを1千万年余りさかのぼる2億4800万年ほど前の地層から見つかりました。

 東北大学永廣昌之名誉教授「べレムナイトが、こんな古い時代に出ていいのかというのが最初の受け取りですよね。普通は数百万年さかのぼるだけで大事件だというわけですから」

 加えて、べレムナイトの起源はヨーロッパとする説が主流ですが、今回の発見は東アジアが起源であることを確実にする大きな発見だということです。

 東北大学永廣昌之名誉教授「まだまだデータが点の段階ですから、今回の発見を契機にうずもれた資料とか新たな資料がどんどん出てくることを一番に期待したい」

 べレムナイトの化石は、仙台市青葉区の東北大学青葉山キャンパス、東北大学総合学術博物館に展示されています。