建設現場でアスベストを吸い込んで病気になったとして、元作業員ら10人が国やメーカーを訴えていた裁判で、仙台地裁で原告の一部と国の間で和解が成立しました。

 この裁判は、東北地方などに住む元作業員3人と元作業員の遺族7人が、アスベストの粉じんを吸って病気になったとして、国と建材メーカー12社に対し総額2億6950万円の損害賠償を求めていたものです。

 全国の1200人以上が原告となった同様の訴訟で、最高裁が2021年5月に国の賠償責任を認める初めての判決を下し、各地で国との和解が相次いでいます。

 仙台地裁では18日、遺族7人に対し国が総額5720万円を支払うことで和解が成立しました。

 弁護団長小野寺義象弁護士「(全国で)毎年毎年原告が亡くなっていて、8割もの人が最高裁判決を聞けなかった。しっかりとした形での救済ができたということについては、本当にうれしいと思う」

 一方で、賠償責任を否定している建材メーカー12社への請求は今後も続けます。

 また、損害賠償を請求できなくなる除斥期間の20年が経過したなどの理由で、和解が成立しなかった元作業員3人の訴訟も継続します。