宮城県と山形県にまたがる奥羽山脈で、全国でも異例の大規模な風力発電の計画が持ち上がっています。

 反対する宮城県大崎市などの住民は、22日の集会で「計画を考え直すべきだ」と訴えました。

 再生可能エネルギーを積極的に推進している、福島県にある風力発電の風車です。

 阿武隈高地などに立ち並んでおり、更なる増設も計画されています。

 東北の阿武隈高地や奥羽山脈には強い風が吹くため、温室効果ガスを出さない風力発電用の風車の導入が進みつつあります。

 宮城県などによりますと大崎市や加美町、山形県尾花沢市などにまたがる奥羽山脈では、3つの企業が最大174基の風車を計画しています。うち10基は建設が始まっています。

 風車の高さは150メートルから200メートルで、仙台市泉区にある仙台大観音の1.5倍から2倍に相当するということです。

 計画に反対する大崎市や加美町などの7つの団体は22日、加美町で集会を開き地元住民ら約400人が出席しました。

 鳴子温泉郷のくらしとこれからを考える会曽根義猛代表「まず景観が悪くなる。騒音や低周波による健康被害の恐れもある。土石流災害の心配もある。再エネが悪いわけではないと思います。とにかく今はいったん立ち止まってどうすればよいか考え直すべきだと私は思います」

 主催団体の代表らは、風車を林立させると自然環境や水源を損ねかねないとも訴えました。

 風力発電や太陽光発電の問題に取り組んでいる全国の約40団体でつくる全国再エネ問題連絡会によりますと、奥羽山脈での風力発電の計画は全国的に見ても異例の規模だということです。

 住民「まだ私は賛成も反対もないんですけども。再生可能エネルギーも必要かなと思うんですけれども。本当に信用できる業者なのかが関心事」

 奥羽山脈で風力発電を計画している3社のうちの1社は、khbの取材に対し「住民説明会を重ね地元の理解を得たうえで工事を進めている」としています。