2021年に実施した全国学力テストをめぐり、宮城県の小中学校で過去の問題を解くなどの事前対策が県内の71校で行われていたことが、県教職員組合の調査で分かりました。組合では、都道府県ごとの過度な競争をあおり、現場への負担が大きいとしてテストの実施に反対しています。

 全国学力テストは毎年、小学6年と中学3年を対象に行われています。

 2021年のテストは、新型コロナの影響で2年ぶりの実施となりました。

 県教職員組合は、テストが実施された後の2021年6月、県内の559の小中学校のうち抽出した342校にアンケートを行ったところ、約3割に当たる112校から回答を得ました。

 このうち71校では、授業中に前の学年の学習内容の復習をしたり、学校によっては校長や教頭の指示で過去の問題を解いたりする事前対策をしていたことが分かりました。

 アンケートを実施した県教職員組合では、都道府県ごとの過度な競争をあおり、担任の評価につながるなど現場への負担が大きいとして、全国学力テストの実施に反対しています。

 2021年の全国学力調査で宮城県の結果は、小学6年生の算数が全国最下位、中学3年生の数学が全国ワースト2位など、学力向上につながる授業の改善が課題となっています。