11月1日から約770品目の食品が値上がりし、牛乳や乳製品など日常的に購入する商品も対象となりました。消費者にとって厳しい値上げですが、生産者も厳しい経営環境にさらされています。

 11月に値上げとなるのは、パック牛乳やヨーグルトなどの乳製品、スナック菓子、たれや酢、日本酒などの酒類などです。

 乳業メーカー大手3社は、牛乳類を2.8%から10.2%値上げします。

 ロシアのウクライナ侵攻で飼料価格が高騰したことで、1日から生乳の取引価格が引き上げられることが主な要因です。

 宮城県涌谷町で乳牛60頭を飼育する斉藤常浩さんです。取引価格の引き上げに伴い、斉藤さんが生乳を卸すメーカーの買い取り価格も1キロ当たり120円程度と、これまでより10円高くなりました。

 しかし、輸入に頼る配合飼料はウクライナ侵攻や円安の影響で高騰し、前年に比べて1トン当たり約3万円値上がりし、海外から輸入している牧草を加えると餌代は2倍程度になっています。

 斉藤農場斉藤常浩さん「餌代が値上がりしていますので、10円売値が上がっても赤字は埋められない状況です」

 更に斉藤さんが懸念するのが、値上げによる消費者の牛乳離れです。

 斉藤農場斉藤常浩さん「(牛乳が)値上がりすることによって買い控えが起きてしまって、前年のような感じでまた牛乳が余ってしまった場合、牛乳の廃棄につながると思いますので。廃棄しなければいけないというのは、非常に悲しい状況になってしまいます」