宮城県多賀城市が2017年度から多賀城跡近くで行った発掘調査で、平安時代の仏像の一部とみられる木製品などが複数見つかりました。全国的にも貴重な発見です。

 見つかったのは、仏が放つ光を表現した「光背」と「蓮台」と呼ばれ、台座の一部と見られる木製品、計5点です。

 多賀城政庁跡から南西に400メートルほどの場所で出土しました。

 これらは西暦915年に噴火した十和田火山の火山灰よりも下の層から出土していることから、9世紀後半のものと分かりました。 多賀城市教育委員会によりますと、年代が特定できる木製の仏像の部品が発掘されるのは多賀城市では初めてで、全国的にも珍しいということです。

 この場所からは、仏具を模した土器や神仏に捧げた焼き物なども複数見つかっています。

 多賀城市教育委員会小原駿平技師「これほど多くの仏教系遺物が集中していたということから、ここには当時の人々の信仰の場である仏堂のようなものがあったのではないかということが分かりました」

 これらの遺物は、多賀城市文化センターで18日まで展示されています。