小説「荒地の家族」で芥川賞を受賞した佐藤厚志さんに、仙台市から賛辞の楯が贈られることになりました。

 賛辞の楯は仙台市に関係が深く、芸術や文化、スポーツなどの分野で優れた活動をし、市民に感銘を与えた個人や団体を表彰する制度です。これまでに60組が贈られていて、文学関係では熊谷達也さん、恩田陸さん、石沢麻依さんが表彰されています。

 仙台市で生まれた佐藤厚志さん(40)は、市内で書店員をしながら執筆活動を続けてきました。

 芥川賞を受賞した「荒地の家族」では、東日本大震災で仕事道具を全て失い、その後、病気で妻を亡くした造園業の男性が奮闘する姿を被災地のリアルな情景とともに描き出しています。

 郡仙台市長「地元仙台で働きながら創作活動を続けられている佐藤さんが今回、東日本震災後の宮城を舞台にしてそこで生きる人々の内面を描かれた小説「荒地の家族」で芥川賞を受賞するという快挙は、私たち仙台市民に大きな感銘を与えてくれるものでした」