能登半島地震の被災地で医療支援に当たった宮城県の石巻赤十字病院の植田信策副院長は、トイレ不足や雑魚寝など避難所の劣悪な環境を訴えました。
石巻赤十字病院植田信策副院長「建物が本当に多く倒壊していますし、倒壊していなくてもとても住める状況じゃない建物も多々あるんですよね。だから長期の避難生活に耐えられるような環境を作っていかないといけないと思いますので」
植田副院長は5日と6日に石川県珠洲市の避難所を回り、診療と避難環境をアドバイスしました。現地で見えてきたのは、避難所の劣悪な環境です。
石巻赤十字病院植田信策副院長「例えば土足で入っている所がほとんどですし、そこに雑魚寝している状況なので、衛生環境や生活環境としては決して良くない状態だということですね。それからトイレも数が少ないです。200人から300人規模の避難所で、仮設トイレが2基しかない状態だったということ。中には和式便器の所もまだあったみたいで、高齢者がしゃがめないから使えないと言っている所もありました」
床で寝ることで体温が奪われ低体温症になったり、トイレの使用を控えることで脱水症状になったりする危険があると言います。
植田副院長は、災害の際には避難所に行くことも考え個人での備えが重要と話します。 石巻赤十字病院植田信策副院長「携帯トイレを持ち込むと、水分を取ったりだとか食事もできるようになると思うんですよね。長期間保存できる水や保存食を避難所に持ち込めば、みんなで分け合って最低限食事できるようになる」