能登半島地震の発生から1週間が過ぎ、日を追うごとに甚大な被害が明らかになっています。東北大学で研究者たちの報告会があり、地震の規模は阪神・淡路大震災の9倍に当たることが示されました。

 東北大学災害科学国際研究所が青葉山キャンパスで開催した報告会では、冒頭で犠牲者に黙祷を捧げた後、様々な分野の研究者が登壇しました。

 遠田晋次教授は、今回の地震を大規模な地震をより正確に分析できるモーメントマグニチュードという尺度でみると、同じ直下型の阪神・淡路大震災の9倍の規模に当たると指摘しました。

 周辺地域では、一定規模以上の地震がこれまで年間約20回だったのに対し、過去3年は年間約8000回に増えていたということです。

 遠田晋次教授「400倍(の頻度で)小さい地震が起きるということは地震学の常識なのですが、400倍大きい地震も起きるということを意味しています。小さい地震が多くなるということは、大きい地震をトリガーする、起こりやすい環境にあったということがポイント」

 地震後、石川県の七尾市と穴水町の建物の調査に入ったグループは、広い間口を持ち筋交いのない建物の被害が大きいなどと報告しました。

 柴山明寛准教授「古い建物は、基本的に多く倒壊している。新しい建物は、ほとんど被害が少ないというのは今回の被害の明暗が分かれているところになる」

 被災したのは、日本語を話せる人ばかりではありません。ゲルスタ・ユリア助教は、石川県だけで約1万7000人の外国人が住んでいるとし、言語の問題のほか、災害リスクの低い国の出身者は災害リテラシーが低い可能性があると指摘しました。その上で、積極的に声を掛けて身振りや手ぶりで情報を伝えることなどの大切さを語りました。