中京大学松本孝朗教授「避難所に避難された場合、電気が来てれば良いんですけど、電気が来ていないと。例えば今夜エアコンなしで寝てください。どんな苦しさか分かると思います。眠れない夜になります」
暑い時期に災害が起こった場合の備えです。宮城県でも既に死者が出ている熱中症は、災害が起きた際に特に注意が必要です。
中京大学松本孝朗教授「暑さが原因で起こってくる病気のひとまとめ、総称です。実は4つの病気が含まれていて、病気になる原因や症状、なってしまったときの対応も少しずつ違う」
熱中症に含まれる4つの病気です。
1.脱水により頭痛・吐き気・めまいの症状が出る「熱疲労」
2.暑い中での活動により足などがつる「熱けいれん」
3.暑い中長時間立つことで脳に行く血液量が減り倒れてしまう「熱失神」
4.体温が40℃を超え脳がオーバーヒートを起こして意識を失う「熱射病」
厚生労働省が公表している熱中症による死者数の推移です。気候変動による猛暑日の増加などにより死者数は増加傾向にあり、2023年は1600人を超えています。
暑さの中で、災害が起きたらどうなるのでしょうか。
中京大学松本孝朗教授「環境が大きく変わるっていうところで災害の時の熱中症のリスクは高くなります」
災害により水や電気などの供給が制限されるほか、睡眠不足や生活リズムが乱れるなど熱中症の要因「環境・からだ・行動」の全ての面で危険性が高くなります。
井口亜美アナウンサー「避難所の中にお邪魔してみます。もわっとしていて暑いですね。直射日光が当たらない分、炎天下よりはだいぶ楽ですが、少しいるだけで汗がにじんでくるくらいです」
「このまま長時間何もしないでいると熱中症の危険性があるので、対策を行っていきます」
まずは、体に熱をためないこと。首元を冷やす。ネッククーラーやうちわで風を送って、熱がこもらないようにします。ネッククーラーが無い場合は濡らしたタオルでも代用できます。衣服も大切です。
中京大学松本孝朗教授「通気性の良い蒸発しやすい服装。できる限り身体を覆う面積が少ないほうが熱を捨てやすいです」
井口亜美アナウンサー「薄手のスポーツウエアに着替えました。風の流れが生まれたり直接冷やしてくれたりして、だいぶ涼しく感じます」
そして、災害時はトイレを控えるために水を我慢する人もいますが水分を取ることは重要な熱中症対策です。
夏場は1人当たり1日3リットルの水分が必要と言われています。しかし、ただ飲めば良いわけではありません。
中京大学松本孝朗教授「真水や麦茶、お茶を飲むと血液中の塩分濃度が薄められてしまって足がつりやすくなります。たくさん汗をかくときには、塩分の入ったドリンクを飲む必要があります」
スポーツドリンクを飲み、水分と一緒に塩分も補給することを意識しましょう。
更に、熱中症計などを使用して自分が今いる環境を知ることが大切です。
井口亜美アナウンサー「熱中症の危険度が高まっている場合には、自分だけでなく周りの方も熱中症になっていないか注意してみてください」