政治とカネをめぐり、衆議院選挙は激しい選挙戦となりました。宮城県で唯一、与野党一騎打ちとなった宮城3区で初当選を果たした立憲民主党の柳沢剛さんにお話をお伺いします。

 立憲民主党が躍進した選挙結果について振り返ります。

 宮城1区では立憲民主党の岡本章子氏が、悲願だった小選挙区での当選を果たしました。
 岡本章子氏「本当にみんなに支えられ、みんなと一緒につくった勝利だと思います。本当にみんなと一丸になって取り組めた選挙、心から感謝申し上げ、そしてまた一緒に歩んでください。よろしくお願いします」
 土井亨氏「全て私の力不足、努力不足その結果がこの結果になりまして、心からおわびを申し上げたいと存じます」
 岡本章子氏「おはようございます。ありがとうございます。またしっかり頑張ります」 当選から一夜空け、岡本氏は仙台市太白区の長町駅前で、お礼のあいさつを行いました。
 岡本章子氏「やっぱり地元の有権者に選んでいただいたというのは、本当にうれしいですし、その分重みを実感しています。しっかり応えていけるよう頑張らなきゃと改めて感じているところです」

 前職3人の戦いとなった宮城2区では、立憲民主党の鎌田さゆり氏が4回目の当選を果たしました。
 鎌田さゆり氏「今の日本の政治、自民党政権の下でですね、非常に汚れてしまっている。特に政治とお金の問題。選挙中、皆様に訴えてきたことを国会で具現化をする、自分の仕事にするということです」
 秋葉賢也氏「有権者の厳しいご判断だと思いますので、謙虚に真摯に受け止めたいと思いますし、本当に私の力不足ということに尽きるんだろうと思います」
 鎌田さゆり氏「これからですので頑張ります。おはようございます。ありがとうございます」
 鎌田氏は、28日朝も仙台市地下鉄泉中央駅に立ち通勤客らに手を振りました。
 鎌田さゆり氏「最低賃金をとにかく上げてほしい、給料の手取りを上げてほしい、切り詰めたって限界がある。そういうお声をたくさんちょうだいしましたので、そのために働かせていただきます」

 宮城県で唯一、与野党一騎打ちとなった宮城3区の戦いを制したのは、立憲民主党の柳沢剛氏です。
 柳沢剛氏「ある意味きょうがスタートだと思います。4市9町色々な方にお話伺いました。その声を今度は、政治の世界に直接ぶつけさせていただければと思っています」
 西村明宏氏「政策やビジョンを一生懸命訴えてまいりましたけども、その思いが有権者の皆様の胸にまでお届けできなかったこと。この地域のために、日本の平和のためにこれからも歩みを進めていきたいと思っておりますので」
 28日朝、宮城県名取市の選挙事務所で自身の当選を伝える新聞記事を読み思いを新たにしていました。
 柳沢剛氏「すごい重みを感じます。しっかりやんなきゃなという。皆さんから聞いた一言一言、できる限り全力でやっていきたい」

 宮城4区では、立憲民主党の安住淳氏が環境大臣などを務めた自民党の伊藤信太郎氏などを破り10回目の当選を果たしました。

 宮城5区は、宮城県の小選挙区で唯一、自民党の小野寺五典氏が9回目の当選を果たしました。

 比例代表の東北ブロックでは自民党の新人、森下千里氏が初めての当選を果たしました。
 28日朝、宮城県石巻市で支持者に感謝の気持ちを伝えました。自民党が惨敗したことで笑顔はありません。
 森下千里氏「この厳しい状況の中で改めて自分もしっかり気を引き締めて頑張っていかなければならないと、強く感じております」

 与党が惨敗し野党が躍進した今回の選挙結果について、仙台市と石巻市で有権者に聞きました。
 石巻市民「立憲民主党の躍進は、いいと思います。今回は大躍進でよかったなと思ってました」
 仙台市民「しょうがないんじゃないですかね。自民党がかなり逆風だったので、そこは受け皿として立憲民主党となったと思う」
 石巻市民「裏金の問題とかね、そういった疑惑を持たれても知りません、挙げ句の果てには秘書がやりましたとかね、そんなことやっては、世の中ごまかすようなことやってるのでは、やっぱり政権を持たせるわけにはいかない」
 多くの有権者から、政治とカネの問題が投票の判断材料になったという声が聞かれました。有権者が政治家に望むことは。
 仙台市民「物価も上がってきているので、賃金も上げてもらえれば」
 石巻市民「やっぱり経済ですかね。もっと若い人たちが活躍できるような政治であればいいなとは思います」
 石巻市民「クリーンもそうですけど、一応国民のための政治ですね。それを望みます」

 政治や選挙に詳しい専門家は、立憲民主党が政治とカネの問題に焦点を絞ったことが躍進につながったと分析しています。

 東北大学大学院情報科学研究科河村和徳准教授「組織が十分機能していない。要するにコロナ禍前に戻っていない状態の中で選挙が行われたことによって、立憲民主党の訴えが入りやすいところもあった。とりわけ政治とカネの問題に絞ったことによってある種、政治とカネに対してどう思うかというところが、投票行動の判断基準になったことも大きいのではないか」

 今回の衆院選の投票率は、前回を3.71ポイント下回る52.16%でした。このうち宮城1区が51.21%、宮城2区が50.03%と特に仙台市の投票率が伸び悩みました。

 河村准教授は、投票率低下の要因として自民党支持層が棄権したのではないかと分析しています。
 東北大学大学院情報科学研究科河村和徳准教授「自民党を熱烈に支持しているがそして野党には投票したくないが、ちょっと今回(「政治とカネ」の問題)はあまりにもひど過ぎるということで、お休みしてしまった自民党支持者の方もいらっしゃるだろう。自民党に比較的好意を持っている層を中心に、棄権者が増えてしまったのではないか」