■盗難仏像 13年ぶり対馬へ

観音寺 田中節孝前住職(78) 「日本中の怒りを買う行為を積み重ねるのかと」

 13年の時を経て日本に返還された仏像。ただ、諦めきれない韓国側が出した提案は「最後にもう2つ作りたい」。

 事の発端は約13年前の2012年10月。「観世音菩薩坐像」が長崎県対馬市の観音寺から盗まれました。

 韓国で見つかりましたが、日本への返還に“横やり”が入ります。

韓国「浮石(プソク)寺」 「この仏像は14世紀に我々の寺で作られ、日本に不当に渡っていた」

 「14世紀に倭寇に略奪された」として、韓国の「浮石寺」が所有権を主張してきたのです。

 韓国側は仏像のマスコットをお土産に対馬の「観音寺」を訪れ、「同じ仏の弟子」として説得を試みたり、韓国の巫女(みこ)ら約200人が対馬で仏像の慰霊祭を行ったりしました。

 そして、おととしの10月、ついに韓国の最高裁が「所有権は日本側にある」との判決を下したのです。

■レプリカ案に寺は?

 しかし、韓国側は約100日間の法要を行うことを要請。貸し出すという形で韓国に残ったままでした。

 さらに、韓国側が「3Dスキャンして複製を作りたい」という要請があったというのです。

 韓国メディアによりますと、“2つ作りたい”といいます。

観音寺 田中節孝前住職 「本物は取り返せないまでも、偽物でも手元に置きたいということじゃないですか」

 今月12日、仏像は長い所有権争いを経て、ようやく対馬に戻ったのでした。

 韓国メディアによりますと、韓国側の僧侶は「我々ができなかったことを子孫がすることを強く願う」と話しているそうです。