逃走を続ける逆走車。19日に公開された新たな映像や目撃情報から足取りが見えてきました。
■新名神高速で多重事故 4人けが
ドライバー 「まだ鮮明に覚えているくらい衝撃的。ニュースでさんざん見たけど、目の前に来るとずっと頭に残っている」
三重県亀山市の新名神高速道路で車が逆走した事故。
いまだ行方が分かっていない青い車。どこから来て、どこへ向かったのか。3つの映像から青い車の不可解な動きが見えてきました。
相次ぐ逆走。今度は関西と東海を結ぶ大動脈で起きました。
18日午前11時ごろ、三重県亀山市の新名神高速道路で車が逆走。車6台が絡み、4人がけがをする事故が起きました。
事故直後の映像。よく見ると、救急隊員が手当てをしている様子も見えます。
この現場を撮影した人も直前に逆走車を目撃していました。
ドライバー 「(逆走車は時速)80から100キロくらい。かなり(スピードが)出ていた」
19日に新たな映像が公開されました。
逆走をする青い車。パッシングをし、車は寸前でハンドルを切り回避します。青い車はワイパーを動かしています。また、別の映像では通常に走っているトラックよりも速い速度で逆走している様子が分かります。
現場は三重県四日市市と神戸を結ぶ新名神高速。逆走した車は3つの地点でカメラに収められていました。
まず1つ目は事故が起きた地点。逆走車の不可解な行動はドライブレコーダーに映されていました。
事故現場を映した上空の映像に映っている車のドライブレコーダーが事故の瞬間を撮影していました。
よく見ると、逆走した青い車が白い車に衝突しながらすり抜けて行く様子が見えます。雨が降っているようには見えませんが、ワイパーが動いています。その後、後ろから追突され、前の白い車に衝突します。
先頭の車はパトカーだったのでしょうか。警察官が降りて車の状況を確認しています。
事故に遭った人 「自分たちの車(の方)に向かってきた。運転手が左によけた。(青い車が)向かってくる、逆走みたいな感じで。1人、脊髄を軽く損傷して入院」
明らかに他の車と接触したと思われる青い車。この事故の最も不可解な点は、その後も逆走を続けたことです。
映像が撮られたのは事故があった場所から100メートルほどの場所。事故を起こしたとみられる車はスピードを落とすことなく、左車線の路側帯をまたぐように走り抜けます。ワイパーは動いたままにも見えます。
ドライバー 「(同乗者が)『逆走逆走』って大きめに叫んで、それで気付いてハンドルを切った。こっちが80キロくらいで向こうがそれ以上。ハザードをたいたり、ワイパーを動かしたりしていたので多分、焦っているんだろうと」
その先500メートルほど離れた場所でも…。
左車線を走っていた車は今度は中央車線にまたがるように車線変更をし、さらにスピードを上げているようにも見えます。
■逆走車どこへ?新映像に足取りが
詳しい地点は分かっていませんが、新たな映像を入手しました。
トンネル内で撮られた映像。前の車がブレーキを踏み、車線を変更。その直後、ヘッドライトをつけた逆走車が出現し、ドライバーはハンドルを切り、かわします。
青い車はさらに逆走を続けます。
追い越し車線を逆走していた車は一気に車線を変え、鈴鹿パーキングエリアに入って行く様子が映し出されています。逆走に驚いたのか、走っている車は止まっています。
最初に事故を起こした場所から約10キロほど離れた場所にあるのが鈴鹿パーキングエリア。つまり、少なくとも10キロにわたって逆走を続けていたとみられます。
外国人が運転していたという証言もあります。
目撃者 「男性で、恐らく海外の人。そういうふうに見えた」
不可解な点は、なぜ事故を起こしたにもかかわらず逆走を続けたのかです。
交通事故鑑定人 中島博史氏 「事故処理のため止まると何か不都合がある可能性も。飲酒、薬物、無免許の可能性も」
最初に逆走が見つかったとみられるのが「鈴鹿トンネル」付近。まだ、どこを間違って逆走が始まったのかは分かっていませんが、この手前には土山サービスエリアがあります。
ただ、専門家はこのサービスエリアで逆走が始まった可能性は低いと話します。
交通事故鑑定人 中島博史氏 「トンネルを過ぎた辺りから通報が多かったようなので、その辺りを考えるとトンネル内でUターンをした意図的な逆走か」
警察は道路交通法違反などの疑いで逃げた車の行方を追っています。