日本製鉄によるUSスチールの買収計画を巡って、アメリカのトランプ大統領は両社の提携を支持することを表明しました。
■「日鉄とUSスチールの提携を支持」
トランプ大統領のSNSから 「慎重な検討と交渉のすえにUSスチールがアメリカに残り、本社をピッツバーグで維持することを誇らしく発表する」
トランプ大統領はSNSで日本製鉄とUSスチールの提携に支持を表明しました。
元々、USスチールの買収計画を巡っては両社で合意されていたものの…。
バイデン前大統領 「USスチールは1世紀以上にわたってアメリカを象徴する企業であり、完全なアメリカ企業であり続けるべきである」
バイデン前政権の時に国家安全保障上の懸念を理由に買収計画禁止命令が出されていました。
アメリカ鉄鋼大手クリーブランド・クリフス ゴンカルベスCEO 「日本は自分が何者か理解していない。1945年から何も学んでいない」
アメリカ鉄鋼大手「クリーブランド・クリフス」のゴンカルベスCEOは激しい口調で日本を名指しで批判。
その後、トランプ大統領が就任。
トランプ大統領 「買収というコンセプトが心理的によくない。彼らはUSスチールを所有するのではなく、多額の投資をすることで合意した」
この計画については対米外国投資委員会=CFIUSの勧告を受け、トランプ大統領が来月5日までに買収の是非を判断することになっていました。
今週提出された「勧告書」などによると、買収された場合でも「安全保障上のリスクは対処可能」という情報も。
トランプ大統領のSNSから 「長年にわたり『USスチール』という名は偉大さの代名詞でしたが今、再びそうなるでしょう」
トランプ大統領は「提携により少なくとも7万人の雇用創出と、アメリカ経済に140億ドルをもたらすことになる」と評価。
■トランプ大統領 経済効果を強調
“提携支持表明”を受けて…。
日本製鉄 「トランプ大統領のご英断に心より敬意を表します。USスチールとすべてのステークホルダー、アメリカの鉄鋼業、さらにはアメリカの製造業全体にとって画期的な転機となるものです」
USスチール 「USスチールはアメリカ企業のままであり続け、日本製鉄との提携を通じて、より大きくより強く成長していきます」
一方で、買収計画に反対していた組合の会長は。
全米鉄鋼労働組合 マッコール会長(米メディアから) 「外国企業である日本製鉄が米国内の製鉄能力をさらに低下させ、数千もの良質な組合員の雇用を危険にさらすのではないかと懸念している」
トランプ大統領は30日にもUSスチールを訪れ、大規模集会を行う予定にしています。
一方、3回目となる「日米関税協議」では交渉の隔たりは縮まってきているのでしょうか。
赤沢経済再生担当大臣 「米側の理解も深まっていることを期待している。ただ現時点で何か、そこが縮まったとか縮まっていないとかということを申し上げる段階ではない」