米の価格高騰の影響で、日本酒造りの原料となる酒米の価格が約6割も上がっていて、宮城県の酒蔵から悲鳴が上がっています。
富谷市の内ヶ崎酒造店社長で杜氏でもある内ヶ崎啓さんは、米の価格高騰が酒造りを直撃しているといいます。
内ヶ崎酒造店内ヶ崎啓社長「平均して(酒米が)1.6倍の価格となっています」
栽培に手間が掛かる酒米の買い取り価格は、主食用の米より高く設定されることが多く、2024年9月の仕入れ価格は前の年を大きく上回りました。
内ヶ崎酒造店内ヶ崎啓社長「弊社としては2月にちょっとだけ値上げをしました。それを上げなかったら完全に赤字になってしまうので、やっぱり何かで補えない物なので、お米と水でしかできてないので」
秋に仕入れる酒米は、2024年より更に値上がりすると予想しています。
内ヶ崎酒造店内ヶ崎啓社長「耐えられる部分まではとりあえず耐えるけども、それを超えた分は結局無理なので、消費者さんににご負担いただくしかないと思っています」
一方、酒米を栽培する農家が減ってしまう恐れもあります。
大和町の農家、高橋三江さんは内ヶ崎酒造店の契約農家として40年以上も酒米を作り続けてきました。
主食用の米が高く売れると見越した農家が「酒米を育てても割に合わない」と考え、主食用米に切り替える動きが出ています。
高橋三江さん「もうかるからと言ってそういう結果ばかり求める稲作では、逆に長続きしないんじゃないかと思います」
高橋さんが秋に収穫する酒米も値上がりが見込まれますが、価格を大きく上げることには否定的です。
高橋三江さん「酒屋さんだって原料米が高ければお酒を売る値段も当然高くなるし、そうなると日本酒離れを起こされたのでは、最後には生産者にしわ寄せ来るような形になると思うんです。だからやっぱ適正な価格というのが一番大事なのかなあと思います」