参議院選挙が、有力視される公示日まで1カ月に迫りました。物価高などで暮らしの不安が増す中、宮城選挙区の候補者の顔ぶれを紹介するとともに争点について専門家などに聞きました。
公示が近づいてきている参院選。市民に、実感があるかどうか聞きました。
「(政治に)期待はしていないけど、文句を言いたいから絶対に選挙は行きます」「正直な話、衆議院と参議院だったら、衆議院のほうを気にしているなって」
地方政治の専門家は、参院選は我々の生活に影響を与える大事な選挙だと話します。
河村和徳教授「(参議院は)1回当選すると、6年間代えられませんよということ。選ばれた議員さんは少なくとも6年間は地位がある。だから、より慎重に選ばないといけない」
参院選が近づき、各政党は既に事実上の選挙戦を始めています。これまでに宮城県で会見し、宮城選挙区に立候補を表明している候補者3人です。
立憲民主党の現職石垣のりこ氏は、1日に仙台市青葉区で総決起集会を開きました。集会には立憲民主党の野田佳彦代表も参加し、参院選での石垣氏の勝利に向けて組織の結束を呼び掛けました。
6年前に自民党の現職を破り、初当選を果たした石垣氏。立憲民主党が宮城県の5選挙区のうち4選挙区で勝利した、2024年の衆院選の勢いを生かし再選を目指します。
石垣のりこ氏「(2024年)秋の選挙で衆院の議席数が変わったことで、国会の状況が変わった。みなさんの声が少しでも届くようになった。これは1票の、希望の結実だと思う。しっかりとこの夏も頑張っていきたいと思う」
自民党の新人石川光次郎氏は、5月25日に選挙対策本部会議を開き組織の引き締めを図りました。自民党政調会長の小野寺五典県連会長があいさつし、参院選の勝利に向けて組織が一丸となることを求めました。
宮城県議を6期務めた石川氏は県議会議長も経験した地元のベテラン議員で、政権与党の強みを訴えて自民党の議席奪還を目指します。
石川光次郎氏「地方の声、地方の思いをしっかりと政治に反映させないといけない。政治が結果を出さないといけない。必ず議席を奪還するために、勝ち抜くことをお誓いします」
参政党の新人ローレンス綾子氏は3年前の参院選でも立候補し、今回が2度目の挑戦です。仙台市中心部の街頭で人口減少問題や減税などを訴え知名度アップを図ります。
ローレンス綾子氏「少子化問題は喫緊の問題として、一刻も早くやっていかないといけない。私たちが一番訴えているのは減税と積極財政。これをすぐにやっていかないといけない」
我々の将来を左右する重要な参院選、有権者は政治にどのようなことを期待しているのでしょうか。
有権者「やはり物価がどんどん上がっているなっていうのは気になる」「子どもにとっていい社会だよと、下の世代にも伝えていけるかぼんやりとした不安がある」「生活が苦しくなってきている。どういう解決策があるのか、示してもらいたいですね。僕らはそれを選択する」
元東北大学准教授で、地方政治や選挙に詳しい拓殖大学の河村和徳教授は今回の参院選の争点について、米の価格の高騰に見られるような家計への圧迫をいかに解消できるかだと指摘します。
河村和徳教授「生活者に対する物価対策だと思う。その中の象徴が米であって、今は経済投票と言って要はお財布が大事になっている。給料が上がらないのに物価は上がる、その象徴が米だろうという話ですね」
そもそも参議院議員の役割とは何でしょうか。参議院議員の任期は6年で、3年おきに半数が改選されます。宮城選挙区の場合は全体で定数が2で、3年おきに1人の議員を選ぶことになります。衆議院との一番の違いは解散が無いことです。解散が無いことが衆議院議員との違いを生みます。
河村和徳教授「(参議院は)解散が無いので、当選すると議員の地位が担保されるので、長期的に物を考えることができる。裏を返すと、国民からすれば1回当選すると6年間代えられませんよということ」
では、参議院議員はどのような思いで仕事をしているのでしょうか。熊谷大利府町長は2010年から6年間、参院議員を務めました。当選の翌年に東日本大震災が起き、復旧と復興に力を注いだと言います。
熊谷大利府町長「当選してすぐに東日本大震災が発災したので、もう地元の議員として復旧復興に汗をかいていたと。それで議員生活のほぼ半分は震災に掛かり切りになったと、今振り返っても思います。常在戦場の衆議院議員と比べると腰を落ち着かせて政策議論、政策の実行に向けて構えて行けるのは、参議院議員の大きな特色だと思っている」
参院選の宮城選挙区には紹介した3人の他に、NHK党が前田太一氏、政治団体チームみらいが角野なすかさん、れいわ新選組も4日に立候補者を発表する予定です。
参議院選挙は7月3日公示、7月20日投票の日程が有力視されています。