懲役と禁錮を「拘禁刑」に一本化する改正刑法が今月から施行されました。法改正を受けて、規律や秩序を重視してきた刑務所が大きく変わろうとしています。

 10年以上の刑に服している受刑者が多い山形刑務所。受刑者らは家具の生産や溶接作業に取り組んでいます。こうした刑務作業は今月から義務ではなくなりました。

 1日から施行された改正刑法。懲役と禁錮が「拘禁刑」に一本化されました。

 おととし、検挙された刑法犯の再犯率は47%でした。

 10年ほど前と比べて高止まりするなか、受刑者を特性などに応じて24のグループに分けて「懲らしめ」ではなく「立ち直り」を目指します。

刑務官 「今の気持ちとかゆっくりでいいので話して下さい」

殺人の罪で服役 受刑者 「共同生活をしたうえでちょっと口論でもめてしまって。多分トラウマになって…今度なった時にまた同じ状況になってしまうんじゃないか」

 他の受刑者とトラブルになり、集団に入り込めない悩みを時間をかけて聞く3人の刑務官。法改正を受けて始まったこの対話のルールは発言を否定しないこと、そして、対等であることです。

受刑者 「受刑生活の中でそこ(対人関係)をもし今みたいに避けてたら出た時、社会に出た時につまずいてしまうんじゃないかと。この人嫌いだから避けるんじゃなくて、うまくやっていきたい」

 思いをぶつけられた刑務官は、受刑者にとって寄り添える存在になることを心掛けます。受刑者も、対話によって成長するきっかけをつかもうとしています。

受刑者 「(この対話で変われる)きっかけをもらえたことが自分にとってプラスになっていると実感」

 罪と向き合い、二度と同じ過ちを繰り返さないための取り組みは手探りのなか、始まっています。