2036年の完成を目標としている仙台城大手門の復元について、仙台市議会の議員らが復元には伐採された定禅寺通のケヤキを活用してほしいと仙台市に要望しました。
仙台市議会の有志議員6人は、仙台市の藤本章副市長に要望書を手渡しました。
3月、仙台市は根や幹に腐食が見られるなどとして定禅寺通の歩道にある樹齢約80年のケヤキ5本を伐採しました。
要望書では、仙台城大手門の復元に当たっては伐採されたケヤキや宮城県産木材を活用することを求めています。
仙台市議会木材利用促進議員連盟庄司俊充会長「市民のシンボルと言われるケヤキを大手門に使っていただいて、多くのお客さんに来ていただけるような流れになればいいなと」
仙台市では今後、伐採したケヤキが復元に活用できるかどうか専門家に意見を聞くなどして前向きに検討するとしています。
1945年の仙台空襲で焼失する前の大手門は、2階建ての瓦葺き、それに隣接する脇櫓は一部が2階建て、大手門の幅は約20メートル高さは約12.5メートルと、全国の城の中でも大規模な門だったということです。1931年には国宝にも指定されています。
大扉という扉があり、2024年にせんだいメディアテークが原寸大で再現しました。人と比べるとその大きさが分かります。
復元には当時の大手門の情報が必要になるため、2023年度から現地での発掘調査を行っています。
2024年11月に発掘調査の結果が一般に公開されました。発掘では柱を支える礎石跡などが見つかっていましたが、新たに別の礎石跡1カ所と水を排水するための雨落ち溝の一部が見つかり公開されました。
礎石跡が見つかったということは、門の元の位置を確定させる精度が高まります。発掘調査は2025年も続けられるということです。
仙台市は2025年度中に工事のスケジュールなどを含めた、復元の基本構想を策定する予定です。