南米ペルー最高峰のワスカランで登山中の日本人女性2人が遭難し、1人が死亡しました。もう1人は救助搬送されています。
亡くなったのは山梨県の診療所に勤務していた医師で登山家の稲田千秋さん(40)です。
所属する団体の避難対策本部などによりますと、意識不明の重体で見つかり、その後、日本時間26日午前8時ごろに死亡と判断されました。
一緒に登山していた寺田紗規さん(35)は意識があり、歩ける状態だったと報告されていて、救助隊とベースキャンプの小屋を目指しているということです。
救助現場は大きなクレバスがあり移動が難しい場所だったうえ、天候も悪化傾向でした。
2人は海外登山の経験がありましたが、山頂の6600メートル付近で動けなくなったということです。
稲田さんは国際山岳医として山岳診療所にも勤めていたほか、登山道のパトロール活動もしていました。
稲田さんが勤めていた社会福祉法人緑樹会の石井貴志理事長によりますと、稲田さんは去年、下見も兼ねて5000メートル付近まで登るなど入念に準備して今回の登山に臨んだということです。
亡くなったことについては「まだ受け止めきれない」「気さくな先生です」と語りました。