約1400人が犠牲になった仙台空襲から、7月10日で80年です。空襲や戦争で亡くなった人を追悼する慰霊祭が行われました。

 空襲の犠牲者と戦没者を追悼する合同の慰霊祭では、遺族らが黙とうし花を捧げました。

 仙台市遺族会吉田善克会長「(当時)まだ私は3歳でした。いさかいがあるというのは間違った世の中。科学の発達と共に(人間の)心も発達してもらえればいいなと思いますね」

 終戦から80年、仙台市青葉区の戦災復興記念館では仙台空襲や戦後の記録を伝える企画展が開催されています。

 当時の様子をより鮮明に感じ取ることができるよう白黒写真をカラー化した物や、子どもたちにも戦争を考えるきっかけにしてほしいと仙台空襲の体験漫画などが展示されています。

 逃げ込んだ住民は多くが助かったとされる、仙台市の大規模な防空壕の全貌を明らかにした動画や写真も公開されました。

 地元の市民グループが6年前に発見した防空壕は、全長が推定200メートル以上で小部屋が10室あり、民間の防空壕では国内最大規模です。

 地面を掘りふたをかぶせる竪穴式と違い、この防空壕は横穴式で爆撃に強く助かった人も多いといいます。

 仙台・空襲研究会新妻博子代表「崖に非常に厚い凝灰岩があるんですよ。掘りやすくてしかも崩れにくい。崖の周辺まで住民が住んでいる居住地だったんですね。歴史的な経緯と地形が非常にうまくミックスした産物ではないかなと思っています」

 空襲から80年が経過し、当時を知る人の記憶を頼りにようやく全貌が明らかになってきたと言います。

 現在は一部崩落の危険性があるため立ち入りが禁止されていますが、研究会代表の新妻さんは市による本格的な調査保存や、伝承活動への活用を期待しています。

 仙台・空襲研究会新妻博子代表「知ることで少し身近に感じられて、こういう事が無いようにするにはどうしたらいいか考える本当のきっかけになってもらえると大変うれしいです」