北海道の人気リゾート地で異例の事態が起きています。外国人労働者らが暮らすための住宅地の開発計画を巡り、町が反対の姿勢を明らかにしました。
■外国人住民の増加数は町村部では日本一
外国人観光客でにぎわう倶知安町。冬はスキーリゾートの働き手として、夏は宿泊施設の建設作業員として、1年を通して多くの外国人労働者も訪れます。
外国人住民の増加数は町村部では日本一で、去年と比べると833人増えています。
町の市街地にあるおよそ2.7ヘクタールの農地。この場所に、外国人労働者らが住む住宅街を開発する計画が持ち上がっています。
ニセードサービシーズ シニアプロジェクトマネージャー 近藤邦裕さん 「圧倒的に足りていないのが、冬のリゾートエリアで働く人の住む所。2000~3000人規模の方たちを住まわせるための従業員寮とか」
■住民らは治安の悪化などを心配
北海道の人気リゾート地、倶知安町で計画されている外国人労働者らが住む住宅街の開発。付近の住民は、次のように話します。
町民 「近くに小学校もありますし小さい子も多いので。大規模な建物ができて、たくさんいらっしゃるというので、ちょっと心配な部分があります」
住民らは、治安の悪化などを心配しています。
この予定地は農地からの転用が原則認められている「第3種農地」にあたり、基準も満たしているといいます。
事業者はこれまで住民向けの説明会を2度開きましたが、納得しない住民らは先月31日、建設に反対する262人分の署名を町長と町の農業委員会に提出しました。
町の農業委員会は総会を開き、農地転用に反対する意見書を北海道庁に送ることで全会一致。農地転用への反対は、極めて異例の判断となります。
一方で、町のリゾート産業に外国人労働者は欠かせません。
近藤さん 「全会一致で否決されたという驚きのニュースを聞いて何も言えない。一カ所に集めて、きちんと決まったルールの中で住んでもらったほうが、ごみの処理なども管理会社が行うことで今まで町中で起こっていた問題も、少しは解消できるはず」
(「グッド!モーニング」2025年8月11日放送分より)